文春文庫
変わらないために変わり続ける―福岡ハカセのマンハッタン紀行

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 320p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167910235
  • NDC分類 404
  • Cコード C0195

出版社内容情報

「週刊文春」の人気連載を集めた第三弾の単行本「変わらないために変わり続ける マンハッタンで見つけた科学と芸術」の文庫化。

2013年4月から2015年1月までの2年弱、著者の福岡伸一氏がニューヨークに滞在していた時期の連載をまとめたもので、かつて研究員として働いたロックフェラー大学に客員教授として赴任すつところから始まるので、この巻だけで「福岡ハカセのニューヨーク滞在記」として独立して読むこともできる。

著者が特に愛着があるというこの書名は、「動的平衡」という、生物を定義するキーワードとして著者が提唱する概念を分かりやすく表現したもの。生物は、大きく変わらないために、小さな部分でつねに変わり続けなければならない。これはそのまま、大学にも、街にも当てはまると著者はいう。ロックフェラー大学は「生命科学研究の最先端」であり続けているが、その中で行われている研究内容はめざましく変化している。そして、ひさしぶりに滞在したニューヨークという街も同じだ。

本書の中で、著者はその大学で出会った最先端の科学研究の成果を、高揚しつつも平易に解説し、科学に対する興味を掻き立ててくれる。そんな中で日本では「STAP細胞」騒動が起きるが、この件についての著者の「先端科学者としての分析」にも鋭いものがある。

そして、ニューヨークの日常生活も発見の連続。文化、芸術の分野でも一切の停滞を許さないダイナミズムが満ち溢れる。中でもフェルメールに対する作者の愛が溢れる章はすばらしい。

ニューヨークで暮らす著者の興奮、感動、喜びが、そのまま読者に伝わってくる一冊。

内容説明

若き日に研究者としてすごしたニューヨークの大学に、客員教授として再び滞在する福岡ハカセ。最先端科学に高揚し、街と文化に刺激される。大学も街も、つねに変化を続けることで、変わらずあり続けている。これはまさに生命の「動的平衡」そのものではないか。週刊文春連載の人気エッセイ、待望の第4弾。

目次

第1章 修業時代の母校ふたたび
第2章 世界の生命科学最前線
第3章 異国で文学を思う
第4章 食文化差の理科的考察
第5章 ニューヨークの自然観察
第6章 自由と違和感のアメリカ文化
第7章 滞在二年目だからわかること
第8章 世界を股にかけフェルメール巡礼

著者等紹介

福岡伸一[フクオカシンイチ]
1959年東京都生まれ。京都大学卒。ハーバード大学医学部研究員、京都大学助教授などを経て青山学院大学教授。分子生物学者としてのキャリアに裏打ちされた科学の視点と、平易で叙情的な文章でサイエンスの魅力を伝える書き手として人気を博し、『生物と無生物のあいだ』がベストセラーに。サントリー学芸賞・新書大賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

香菜子(かなこ・Kanako)

21
変わらないために変わり続ける 福岡ハカセのマンハッタン紀行。福岡伸一先生の著書。ロックフェラー大学に客員教授として研究生活をしていた福岡伸一先生、福岡伸一博士。福岡伸一博士から見たニューヨークの移り変わり。研究者としてのご経験が豊富な福岡伸一博士ならではの一冊。2022/01/13

Happy Dragon 🐉

3
(^_^)v マンハッタン紀行のタイトルを目にして手にとった。著者である福岡ハカセは生物学の権威。二度目のニューヨーク滞在記である。好奇心の旺盛な著者は読んでいても、全く飽きさせない。母校から始まり、腸内細菌、食、ホタル、文化、フェルメールなど、話題は幅広く、非常にわかりやすく書かれている。何故、ここまでニューヨークに魅了されるか、人もニューヨークも、変わらないために、変わり続けているからだろう。そして、常にニューヨークは、変わる事への寛容さと自由あるかのだろうと私なりに解釈した。 ありがとう! 感謝!2022/06/08

takakomama

2
「週刊文春」連載のエッセイ第4弾。マンハッタンの母校にに滞在した2年間。福岡ハカセは研究のかたわら、あちこちに出かけたりして、とってもアクティブです。生命科学の話や、ニューヨークに住んだからこそわかる文化の違いなどが面白かったです。2018/04/07

1
ハカセの専門知識を持って 好奇心のおもむくままNYシティ紀行。生命科学の学者目線から観察や意見なので面白かった。2019/09/05

Masa

1
週刊文春連載エッセイの文庫化第4弾。タイトルは彼の持論の動的平衡のことだね。サブタイトルにるように今回はニューヨークのロックフェラー大学に戻ってからの執筆なので、科学のトピックス以外のニューヨークのお話も楽しい。ハカセのフェルメール巡礼の話、全点踏破のルールは現地に出かけその都市の風光と共に鑑賞。上野の大フェルメール展なんてのはノーカウント、面白い。記憶は何故何時も苦いのか、ストレスがかかるとコルチゾールが分泌され海馬に働きかけ、危機を記憶にしっかり留める。嫌なことが忘れられないのは進化の恩恵。なるほど。2018/04/02

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/12552914
  • ご注意事項