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文春文庫
アメリカの壁

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  • サイズ 文庫判/ページ数 384p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167909819
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

「輝けるアメリカ」「美しいアメリカ」を掲げ当選した大統領ひきいるアメリカが、突然出現した「壁」によって外の世界と遮断される! 1977年に発表された表題作「アメリカの壁」が「現在のトランプ政権の誕生を予言していた」と40年の歳月を超えて話題沸騰、電子書籍として発売されるや、各電子書店のベストセラー・ランキングで1位を獲得、国内外のメディアで大きく取り上げられた。この注目作品に加え、「眠りと旅と夢」「鳩啼時計」「幽霊屋敷」「おれの死体を探せ」「ハイネックの女」の六篇を収録した短編集を、新装版として緊急出版する。SFが“未来を見通す文学”であるならば、「国境に壁を築く」というトランプ大統領の台詞を先取りしたこの題名は、まさに「SF界の巨匠」の面目躍如たるものがある。

ベトナム戦争が終わってからこのかた、アメリカ人が急速に「内向き」になっている時代。独立記念日の直前、アメリカから外界への、すべての交通機関、通信手段が突然、途絶する。ビジネスで日本から来ていた主人公は困惑し動転するが、アメリカ人の友人は「こんなことが起こるような気がしていた」と不可解な態度。そして何事もないかの如く独立記念日の式典は華やかに進む。アメリカが不可思議な壁で覆われてしまっても、なぜ「アメリカ市民」たちは平静でいられるのか。「アメリカの壁」を生んだのはあの大統領」なのか・・・? 奇想天外な「SF」という形式で、巨匠・小松左京は、超大国アメリカの本音を鋭く抉り出す。

内容説明

独立記念日を前にしたある日、アメリカと外界との連絡、交通が突然遮断された!?40年前にトランプ大統領登場を予言したかの如き表題作に加え「眠りと旅と夢」「鳩啼時計」「幽霊屋敷」「おれの死体を探せ」「ハイネックの女」の、いずれも未来を的確に見通した六篇を収録。SF界の巨匠の面目躍如たる短編集。

著者等紹介

小松左京[コマツサキョウ]
1931年、大阪生まれ。京都大学文学部卒。1962年に「SFマガジン」で商業誌デビュー。1970年の大阪万博では岡本太郎と共に「太陽の塔」内部の展示を企画。90年に大阪で開催の「国際花と緑の博覧会」総合プロデューサーも務めた。2011年に逝去。享年80(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

keroppi

71
トランプ大統領を予言したと話題になり、文庫化されたようだ。1977年から1978年にかけて発表された作品を集めた短編集。表題作は、壁を作ってしまうアメリカがテーマだが、「首都消失」のようでもある。小説としては、他の作品の方が面白い。生きているミイラや、探偵小説風のSF、女シリーズの一作、等バラエティに富んでいる。小松左京次男の実盛氏の解説を読みながら、「果てしなき流れの果に」を読み返したくなってきた。2020/07/24

ネギっ子gen

44
【発掘本】6つの短編を収録。表題作は、そのタイトル名や内容から、トランプ大統領登場を予見したと話題に。確かに<“孤立”でうけた損害よりも利益の方が大きいはず>で、<広大なマーケット>を失っても、<もう外の世界から泥沼のような“援助”を求められたり、国連でちっぽけな国々につるし上げられたり、日本や西ドイツからの“追い上げ”をうけたり、“支配力”や“影響力”のぐらつきに焦ったりしなくてもいい>という記述などを読むと、現大統領があのような言動を繰り返しながらも再選が有力視されている理由が、少しだけわかった気が。2020/02/29

おすし

28
『アメリカの壁』こういう政治思想的なのちょいちょいやりますねあんま好きじゃないっす。『眠りと旅と夢』今までの常識どこいった??って感じのSF大スペクタクル、それに加え世界観ガラッと変わるようなどんでん返し、これよ~これこれ!『鳩啼時計』『ハイネックの女』妖しくゾクゾクする読み心地…からのニャンパラリ!な着地に快感。『幽霊屋敷』『おれの死体を探せ』私立探偵もの、ホラーであり推理小説でありSFっていうあまりみないかたちの話。シリーズらしい、他も読みたい!スケベ表現のやり過ぎ感が胸焼けするけど(笑)2024/04/10

ぜんこう

22
トランプ大統領のおかげで脚光を浴びた表題作「アメリカの壁」をはじめとした1977年、1978年に書かれたバラエティに富む短編を集めた1冊。「眠りと旅と夢」「鳩啼時計」「幽霊屋敷」「おれの死体を探せ」「ハイネックの女」 どの話も面白かったです。 特に「眠りと旅と夢」の最後はほんま驚いた…この世界ていったい現実なのか夢なのか・・・2018/04/24

そうたそ

21
★★☆☆☆ 作中に登場する大統領がトランプ大統領を思わせるという話題から、久々に浮上してきた作品。正直なところ、小松左京がアメリカの未来を予言していたというのはさすがに誇大広告であり、むしろ本作の魅力は著者がアメリカという国の本質をSFという形を借りて描いた部分にあるのではないかと。その他収録作についていえば、どれもあまり好みでなかったが、ラストの「ハイネックの女」はゾクゾクするような和製ホラーの香りをも漂う秀作でこれは素晴らしい。全般的にSFっぽさが少ない、ジャンル的にバラエティに富んだ作品集である。2019/02/03

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