出版社内容情報
小籐次の名を騙り、法外な値で研ぎ仕事をする男が現れた! その男の正体を探るため小籐次は東奔西走、裏には予想外の謀略が……。
佐伯 泰英[サエキ ヤスヒデ]
内容説明
想い人おりょうとの仲に新たな進展を得た小籐次。だが、そんな日々にも、自らを見張る鋭い視線を感じていた。そして現れた“偽小籐次”。今や江戸の有名人となった赤目小籐次の名を騙り、研ぎ仕事を請け負い法外な研ぎ料を請求する―。跳梁はそれだけにとどまらなかった。もはや真偽小籐次の対決は不可避か。緊迫の第11弾!
著者等紹介
佐伯泰英[サエキヤスヒデ]
1942年、北九州市生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒。デビュー作『闘牛』をはじめ、滞在経験を活かしてスペインをテーマにした作品を発表。99年、時代小説に転向。「密命」シリーズを皮切りに次々と作品を発表して高い評価を受け、“文庫書き下ろし時代小説”という新たなジャンルを確立する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
96
紙問屋の集金の用心棒をしたり、子供を連れて想い人の屋敷で・・・・。で、かなり男女の中に進展があったような感じです。また主人公の偽物を登場させたりして話を飽きさせない工夫をされています。最後の話の方では「吉原裏同心」でも2回ほどあった鎌倉の建長寺の話が出てきます。どうも最近は主人公の顔を竹中直人さんを思い浮かべてしまいます(私はテレビを見たのではないのですがどなたかから話を聞きました)。ファンで握手をしたこともあります。2018/02/20
しらたまはなこ
3
偽の小籐次が暗躍してピンチ。それより、おりょうさんったら…2017/10/05
あき
2
時代モノには定番の偽者騒ぎ。なかなかに艶な真偽の証明で話題性は抜群。ほら蔵の読売も爽快。しかし勤番侍の懐具合では登楼のかなわない吉原の大籬、しかも御職の酒宴に相席とは、伊丹さんとっては怪我の功名とでも言うところか。おりょうの供で諸国の著名な歌人とも面識を得たり、小籐次の勲しが広まっていくさまが小気味良い。2021/08/23
Gussan
2
タイトルの出来事が吹っ飛ぶくらいにおりょうさんの情熱にほだされる小籐次のあわてっぷりが非常にカワイイ。初期のころならば全員ぶった切られていたはずの悪役の面々が「二度と刀が持てない」ぐらいに手加減されているのが新たな境地なのだろうか。文春の「決定版」表紙は作品と相まって良い感じ。2017/10/02
勝也成瀬
2
おりょうさんたいい感じになり、今後が楽しみ。シリーズが続いていくとやっぱり偽物が現れるものだなあ〜。2017/07/02