出版社内容情報
日本が誇る宇宙開発技術をアメリカに売り渡す「売国奴」は誰だ!? 検察官・冨永と若き研究者・八反田遙。陰謀渦巻く骨太社会小説。
真山 仁[マヤマ ジン]
内容説明
気鋭の特捜検事、冨永真一。宇宙開発の最前線に飛び込んだ若き女性研究者・八反田遙。ある汚職事件と、親友の失踪が二人をつなぐ。そして炙り出される、戦後政治の闇と巨悪の存在。正義を貫こうとする者を襲う運命とは!?雄渾な構想と圧倒的熱量で頁を捲る手が止まらない!真山仁の超弩級謀略小説を文庫化。
著者等紹介
真山仁[マヤマジン]
1962年、大阪府生まれ。同志社大学法学部政治学科卒業。新聞記者、フリーライターを経て、2004年、企業買収をめぐる熱き人間ドラマ『ハゲタカ』でデビュー。07年に『ハゲタカ』『ハゲタカ2』(『バイアウト』改題)を原作とするNHK総合土曜ドラマ「ハゲタカ」が放映され、大きな反響を呼ぶ。同ドラマは国内外で多数の賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あすなろ
103
イヤ、時々真山氏の作品を読みますが面白い。スケールがまたこの作品は違う。戦後の我が国と米との間に介在する売国奴ですか。皆、少し機転が利く者は実は米とかの策略ではないかと疑うこと多い我が国の戦後から現代の数々の出来事。それを宇宙を1つの主テーマにここまでストーリーとして纏め上げて読者を楽しませるのが真山氏の真骨頂。その膂力にスゴイなと素直に敬服します。解説によると高2の時に読まれた白い巨塔が物書きとしての進路を決定的にしたとか。ナルホド、確かにそういう系譜が判ります。2018/12/30
アッシュ姉
86
刺激的なタイトル。日本が誇る技術を他国に売り渡す「売国奴」は誰だ。真山さんが描くと、さもありなんと震撼させられる。戦争が終わっても争いは続く。世界平和は夢のまた夢なのだろうか。読友さんの感想にもあったが、終盤が駆け足で充足感は得られない。遙目線をカットして、冨永目線だけに絞った方が入り込めたように思う。2017/12/11
速読おやじ
49
真山仁の小説は経済モノより、政治・謀略モノの方が面白いんじゃないかと思った。ミステリー色もあるし、ストーリーが抜群に面白い。ロケットについての記述は専門的な説明があったものの分かりやすく、興味が沸いた。「売国奴」が本当に日本の政治の中心にいるのではないかと、リアルに感じさせてくれた。「正義」を貫く富永検事はカッコよかった。2022/11/26
reo
42
イプシロン(固体燃料)ロケットの開発については、今や日本は世界一なんだそうだ。例えば「日本で発射してもブラジルで飛んでいるチョウ🦋のど真ん中を射抜ける」程なんだとか。ロケットといえば北朝鮮がこのところ日本海にミサイルを撃ち込んでいるが、あれはロシアの要請でウクライナの都市にミサイルを撃ち込む試射なのだそうだ。そういえば射程も程ほどで大体その辺に飛んで行っている感じ。そんなこんなの「売国」ここでは対アメリカなんだけど、マスコミを筆頭に対中・ロの売国政治家や評論家の多いこと!さすが真山仁読ませる。左門は…❓2022/06/11
ミエル
42
テーマも序盤も最高なのに、後半何があった?な雑な結末が残念過ぎ。著者には珍しく 取材内容も咀嚼されていない印象で荒削りだし、なんかもったいない。改変して再上梓して欲しい。2017/08/15