文春文庫
人類20万年遙かなる旅路

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  • サイズ 文庫判/ページ数 571,/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167906047
  • NDC分類 469.2
  • Cコード C0198

出版社内容情報

英国美人人類学者が「出アフリカ」から「南米到達」までを半年に渡って踏査したBBCのドキュメンタリー番組の完全書籍化。

内容説明

人類はどこから来たのか―人類にまつわる謎に魅せられた英国女性人類学者が、出アフリカから南米到達まで、太古の人類の足跡をたどる旅に出る。ときに狩猟採集民の狩りに同行し、ときに筏で海を渡り、ときにトナカイ遊牧民に寄り添う。かつての人類の営みをなぞり、やがて行き着くのは意外な真実だった。

目次

第1章 すべての始まり アフリカ(現代に生きる狩猟採集民との出会い―ナミビア:ンホマ;アフリカの遺伝子―南アフリカ共和国:ケープタウン ほか)
第2章 祖先の足跡 インドからオーストラリアへ(灰の考古学―インド:ジュワラプラム;熱帯雨林の狩猟採集民と遺伝子―マレーシア:ペラ州レンゴン ほか)
第3章 遊牧から稲作へ 北アジア・東アジア(内陸での集団移住―中央アジアへのルート;氷河期のシベリア人の足跡をたどる―ロシア:サンクトペテルブルク ほか)
第4章 未開の地での革命 ヨーロッパ(ヨーロッパへの途上―レヴァント地方とトルコの現生人類;海を越えてヨーロッパへ―トルコ:ボスポラス海峡 ほか)
第5章 そして新世界へ アメリカ(大陸をつなぐ―ベーリング陸橋;アメリカ先住民のヒトゲノム解読―カナダ:カルガリー ほか)

著者等紹介

ロバーツ,アリス[ロバーツ,アリス] [Roberts,Alice]
1973年、英国生まれ。医師。1999年からブリストル大学で解剖学の講師を務める。2012年よりバーミンガム大学教授。古生物病理学(古代の骨にみられる病気の痕跡の研究)での博士号を持つ。大学外での一般に向けた科学啓蒙にも深く関わり、講演や科学フェスティバルへの協力を数多く行う

野中香方子[ノナカキョウコ]
翻訳家。お茶の水女子大学卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Miyako Hongo

14
テレビドキュメンタリーの書籍化。でもとても判りやすい。各章の最初に載ってる地図がとても便利。あと、ページの隅にちょこちょこ載ってるイラストも。□アフリカで生まれた現人類ががどのようにして世界に広がっていったか、その道順を実際の遺跡を訪ねながら確かめていく冒険物語。シベリアでトナカイ遊牧民のテントに泊まり、東南アジアの海に筏で漕ぎ出し、石器の槍を投げて車のドアに穴をあけ…体験型学習で最新の学説や遺伝子考古学の成果に触れる。目新しさは無かったけど、考古学の実証実験やってるみたいで面白かった。2017/01/07

豆ぽち

11
『狩猟採集民に比べて、農民は歯の欠損や虫歯が多く、成長不良で身長が低く、平均余命は短かった。また、外傷の残る骨が多くみられ、暴力や闘争が増加したことが察せられた。伝染病にかかる人も増えた。貧しい食生活に加え、密集して暮らすようになったことも影響しているだろう。しかし、個人レベルではそのような不利益をもたらしたものの、農耕の開始は、平均寿命の現象を補って余りある出生率の増加をもたらし、そのせいで人口は増加した。』2020/09/02

smatsu

6
最近のこの分野の研究は意外と新しい発見が出てきていて、以前学校で習った内容からはかなり内容が更新されてきている。2013年に(原書は2009年)出版された本書の内容ですら既に若干古くなって来ていて、最近では種としてのサピエンスは今まで考えられていたよりもかなり前の70万年くらい前から存在していたとする説が有力になってきている。なので本書の内容もそういう意識を持って読むべきだが、幅広くポイントが押さえてあって読みやすい、全体としては良書だと思われます。2022/03/21

たかはし

2
20万年前にアフリカで生まれた現生人類は、その後、世界中に拡散していった。それは決して旅ではなかった。少なくとも当人たちにとっては。 だが著者が人類の足跡を辿る様は、まさに旅である。 人類の足跡を辿るために訪れた現代の遺跡。そこから掘り起こされた過去。我々は著者とともに時空を超えた旅をすることになる。 それは遺伝子の記憶を辿る旅…新しい何かを見つけるためではなく、何かを忘れないために、あるいは何かを思い出すための旅だ。 そして現代に生きる人類の未来は、この地平の上に築かれていく…そう思うと実に感慨深い。2018/05/27

S_Tomo🇺🇦🇯🇵

2
元はBBCのドキュメンタリー番組で、筆者が人類発祥、そして南極以外の 全ての大陸に広がっていった様子を実際にアフリカ・インド〜オーストラリア・北/東アジア・ヨーロッパ・アメリカに旅立ち、遺跡や化石、遺伝子調査、そして今、その地に生きる人々の風習など、様々な視点から人類20万年の足取りを考察する一冊。しかし、何分、人類がまだ文字を持たず後世のために事細やかな記録を残してない時期だけに、幾多の調査から拾い上げた断片的な情報から太古の事実を解き明かすのは容易ではない中、調査・研究に携わる方々へ敬意を抱く。2016/08/09

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