出版社内容情報
叔父の善次郎が神田で古着屋「更紗屋」を始めることになり、希望に胸を膨らませるおりん。ところが、思いがけない災難が振りかかる。
八百屋お七と出会ったおりん。おりんの心に恋の炎が燃え上がる
叔父の善次郎が神田で古着屋「更紗屋」を始めることになり、希望に胸を膨らませるおりん。ところが、思いがけない災難が振りかかる。
内容説明
実家の呉服屋も父も亡くし、京から江戸へやってきたおりんにやっと明るい年明けが訪れそうな師走。なぜなら叔父の善次郎が、妻のおせんと神田で古着屋を始めるからだ。更紗屋の名を受け継ぐ店を開くことの喜びで胸がいっぱいのおりんだったが、思いがけない災難が降りかかる。大好評書下ろしシリーズ第4弾!
著者等紹介
篠綾子[シノアヤコ]
1971年埼玉県生まれ。東京学芸大学卒。第4回健友館文学賞受賞作『春の夜の夢のごとく―新平家公達草紙』(健友館)でデビュー。短篇「虚空の花」で第12回九州さが大衆文学賞佳作受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
81
お七がじれったい!と思ったら、あらら女って恋すると凄いわねぇの話。八百屋お七がこう化けるか・・篠作家、今作も楽しませてもらいました。腹に一物も二物も有りそうなのがまたまた登場の気配。ちょっと心配になってきましたよ。蓮次と末続・・私は末続さん派なんだけれども、こちらはまだまだ一山も二山もありそうですね。次巻は8月かぁ。待ち遠しい。2016/03/27
優希
49
不幸の中、江戸へやってきたおりんにようやく明るさが注ぎそうに見えました。思いがけない災難もありましたが、新たな一歩は希望の証だと思います。2021/04/06
こみっくま🌟スタレビ聴き込み中
40
シリーズ第4弾。おりんちゃんの親友・煕姫がなかなか登場せずヤキモキしたし読んでいる間中今回は地味だなと感じていた。しかし天和の大火という大きな災難が彼女の身に降りかかり、篠さん風にアレンジされた八百屋お七の激しい恋物語は凄く良かった。お七の恋が蓮次、末続を巡っておりんの心を大きく揺らす。三人の恋の行方に上手くシンクロさせる辺り上手い!松尾芭蕉の立ち回りや身のこなしに驚き検索したらなんと!伊賀出身で忍者説がまことしやかに囁かれているとは。いいな~篠さん。意外な史実を教えてくれる。第五弾は八月発売。楽しみ^^2016/02/13
はにこ
34
火事で善次郎が計画を立てていた古着屋が頓挫。そして飛松が行方不明。相変わらず災難。。おりんはモデルにお七という娘を紹介される。そのお七とは八百屋お七で有名なあのお七。篠先生らしい解釈で物語に取り込んでいてすごい!その中でおりんは蓮次と末続との間で揺れ動く。自分の側に置いておきたいって縛りつけるのって自分勝手だなぁ。お七の言う通り。蓮次と右近の繋がりが明らかになって次も楽しみ。2021/07/23
ユメ
32
主人公おりんは架空の人物であるので、これは時代小説と形容するのが正しいのだろう。しかし、歴史上の人物が巧みに物語に織りこまれ、重厚な読み応えを感じさせるところは、歴史小説とも呼びたくなる。シリーズ第四作にあたる本書では、篠綾子さんはかの八百屋お七の逸話を大胆に取りこんでみせる。女子の激しい恋心は時に炎を起こす。山吹色が瞼の裏にくっきりと焼きついた。お七の情熱に呼応するようにして、おりんの周りの恋模様も動き始める。と、ここにきて、思わぬ人物の関わりを仄めかすこのラスト。続きが気になりすぎて身悶えしそうだ。2018/02/28