内容説明
現代日本を代表する作家による、初めての小説論集。「麦主義者」としての作家の出発を促し、また方向づけた十代の読書経験と、上林暁、徳田秋声、志賀直哉、川端康成、太宰治など近代日本の作家たちについて(第1部、第2部)。自分自身を書くことは他者を書くことであるという「私小説」の核心をめぐって(第3部)。著者の小説世界に大きな影響を与えてきた三浦哲郎と古井由吉の文学をめぐって(第4部、第5部)。さらに、ときには反発しながらそれぞれの文学観に学んだ作家たちについて(第6部、第7部)。作家、佐伯一麦の文学はもちろん、日本の近現代文学に親しむための扉としても読める、貴重な本。
目次
1 麦主義者の出発
2 近代日本の作家たち
3 私小説論
4 三浦哲郎―「私小説」と「私小説家」
5 古井由吉―ガイストの芸術
6 作家の姿形
7 レクイエム
著者等紹介
佐伯一麦[サエキカズミ]
1959年、宮城県仙台市に生まれる。仙台第一高校卒業後、週刊誌記者、電気工など様々な職業を経験した後、作家となる。著書に、『渡良瀬』(岩波書店、伊藤整文学賞)、『還れぬ家』(新潮社、毎日芸術賞)、『ノルゲ』(講談社、野間文芸賞)、『鉄塔家族』(朝日文庫、大佛次郎賞)、『ア・ルース・ボーイ』(新潮文庫、三島由紀夫賞)他多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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