文春文庫<br> 余命1年のスタリオン〈下〉

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文春文庫
余命1年のスタリオン〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 349p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167904821
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

芸能界に颯爽とデビューし、種馬(スタリオン)王子の異名をもつ小早川当馬。公私ともに絶好調の中がん宣告を受けるのだが……。

内容説明

当馬は、最後の一年を映画に懸けた。監督の溝畑英治、先輩女優の都留寿美子らを巻き込みつつ、病身を押して撮影に打ち込む。そして、思いもかけず生まれた、新しい愛。「わたしは、当馬さんの赤ちゃん、産んでもいいですよ」。その真っ直ぐな視線に、すでに人生の終わりを見定めた当馬はどう答えるのか―。

著者等紹介

石田衣良[イシダイラ]
1960年、東京生まれ。成蹊大学経済学部卒業。広告制作会社を経てフリーランスのコピーライターに。97年、「池袋ウエストゲートパーク」でオール讀物推理小説新人賞を受賞。『池袋ウエストゲートパーク』(文春文庫)でデビュー。2003年、『4TEEN』(新潮文庫)で直木賞を受賞。06年、『眠れぬ真珠』(新潮文庫)で島清恋愛文学賞、13年、『北斗ある殺人者の回心』(集英社文庫)で中央公論文芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

103
残された命を懸けるものがあるというのが心に響きました。余命1年という残された時間を映画に懸けた当馬。病気の体を押しながら挑む撮影は、本当に1秒1秒の命を削るもののように見えるのが辛い。でも、そんな中で新しい命と出会い、自分の命をそこに見出したように思います。悲しいラストではなく、命のバトンがなされるというラストが爽やかでした。重いテーマながらも優しい読後感のある作品でした。良作。2016/09/14

きむこ

75
かなり軽い部類の小説だったのに、読了後、時々この主人公のことを考えている自分にびっくりしています。ベタでアレコレ突っ込みたくなる部分も多かったけれど、『闘病』部分と芸能界の『お仕事小説』の部分と『恋愛』のバランスが良く軽妙な雰囲気なのに涙腺崩壊。そしてもし自分が余命宣告されたら・・と考えた時の理想的な頑張り方だから惹きつけられた。こういうのは嫌いじゃない。★4 2017/12/05

ましゅう

25
良い作品を読めた満足感でいっぱいです。小説は別の人生を体験できるというけれど、当馬の人生にものすごくのめりこみました。他の登場人物もとても魅力的。あかねちゃんはすごくよくできた子で、読んでてウルウルしました(;_;)寿美子さんはかっこいい。かっこよすぎて泣けました。律子ちゃんには惚れてしまいそうです(笑)あかねちゃんの言葉「約束してくれるなら、わたし、ずっと太ったままでもいいんだけどな。」ここに込められた愛は深すぎる。重いテーマなのに重く感じさせない本作。作中作の『種馬の人生』観てみたくなりますね。2016/05/23

なるみ(旧Narumi)

24
一回1月中旬に読了しましたが、感想を書きそびれ、今回再読の運びとなりました(笑)。もしかしたら都合よく運びすぎた感もある話かもしれませんが、読者に考える余地を残した前向きな終わり方は、私にはよかったです。がんの父を看取った経験がありますが、リアリティのある本書の主人公の姿でもありました。2016/03/13

タルシル📖ヨムノスキー

23
この物語、主人公は余命1年を宣告された俳優の当馬だが、新人マネージャーのあかね、そして当馬と同じコンテストで優勝した勇馬の成長物語でもある。下巻はキャストも決まりやっと映画がクランクイン。当馬のまさに命を削るような演技、それに応える共演者たち、スタッフたちの情熱。やはりベテラン女優・都留寿美子の存在感が抜群。映画制作に加え、もう一つ当馬が願ったことは…。最後は抗がん剤の副作用と闘う延命治療ではなく、大切な家族と自分の家で穏やかな時間を過ごす緩和ケアを選択する当馬。燃え尽きる命だけではなくもう一つの感動が。2023/04/18

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