出版社内容情報
徳川四天王・井伊直政の養母、直虎。彼女は先を視る不思議な力を持っていた。戦国の世に領主となった女の熾烈な一生を描いた渾身作。
戦国の世、井伊家を背負って立った女がいた
徳川四天王・井伊直政の養母、直虎。彼女は先を視る不思議な力を持っていた。戦国の世に領主となった女の熾烈な一生を描いた渾身作。
内容説明
「紅はいらぬ、剣を持て」井伊家二十二代目当主直盛の娘・直虎は、言うが早いか、強引に結婚を迫る相手の腰から刀を抜き取り己の髪を切り落とした―。のちの徳川四天王、「井伊の赤備え」で武勲を誇った井伊直政の養母にして、遠州錯乱の時代に一命を賭して井伊家を守り抜いた傑女の、比類なき激動の人生。
著者等紹介
高殿円[タカドノマドカ]
1976年兵庫県生まれ。2000年『マグダミリア三つの星』で第4回角川学園小説大賞奨励賞を受賞し、デビュー。『プリンセスハーツ』シリーズなど、ファンタジーを中心としたライトノベルで活躍。2010年、初の単行本である『トッカン特別国税徴収官』を刊行、シリーズ化(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yoshida
202
今年の大河ドラマが「おんな城主 直虎」という事もあり手に取りました。ゲーム「戦国無双」で井伊直虎は知っていた。大河ドラマの配役で直虎は柴咲コウさんで脳内再現して読了。好みの問題かと思いますが、千里眼等のファンタジー要素が強かったかなと。今川よりの目付けである小野政次により、井伊家が瓦解してゆく。その序章が長過ぎたのかなと感じました。いよいよ直虎が家督を継ぐも井伊家は瓦解。井伊家のお膝下の遠江を焼き討ちした事が遠因で、武田信玄の病が進行して死期を早めたとかは現実的ではないかな。大河ドラマに不安感が芽生える。2017/01/02
優希
123
面白かったです。戦国の世に紅のように生きた井伊直虎。女性が家督を継ぐということは、諸大名をも震撼させる女傑という印象ですが、養母として育てた直政の方が歴史上に名を残したようです。井伊家を背負い立った女性として、鮮烈な生き様を見せた直虎はほんの一瞬燃え上がった炎だったのかもしれません。戦国という時代、香という姫のまま生涯を終えることと、直虎となる道を選ぶこととどちらが幸せだったのか考えさせられました。それでも紅という剣を持ち、生き抜いた生涯は美しい。来年の大河が楽しみです。2016/10/24
takaC
109
昨年のNHK大河ドラマを見る前に読めば良かったと後悔した。あれを見た後に読むのは色々不都合あり。記録に残ってないので仕方ないのだろうけど女性の名前がドラマと一致していないのは特に困った。でもこの小説そのものは良作だと思う。2018/02/11
シン
92
初高殿作品。面白かったです。来年の大河ドラマの主人公が井伊直虎ということで読んでみました。少しファンタジー入っていました。大河でファンタジーはNGでしょうね。他に梓澤要さんという方も描いているようなので読んでみたいと思います。ここ最近の女性主演の大河ドラマは不調です。今年堺雅人主演「真田丸」は好調で今後の展開も楽しみですが、その次の柴咲コウ主演「おんな城主 直虎」もどんなふうになるのか非常に興味があり、楽しみです。2016/04/30
小木ハム
83
徳川四天王:井伊直政の養母、井伊直虎=香(かぐ)が主役の歴史小説。香は橘の化身(冬でも青々と繁って縁起が良い)とされ、また生来から″見える人″で、少し先の凶兆を予見できる割と神童的な存在。政争で許嫁と離別することになり俗世を離れるが、主の相次ぐ死から祖国井伊谷、井伊家、許嫁の忘れ形見(直政)を守るため女領主として身を起こす。香に限らず、侍女のきぬや母の安佐など世相に翻弄されながらも強く生きる女性が魅力的。男性では善悪、思慕、立場などひっくるめて小野政次がダントツで魅力的に書かれている。2019/03/24