文春文庫
異邦人―世界の辺境を旅する

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  • サイズ 文庫判/ページ数 290p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167901509
  • NDC分類 361.8
  • Cコード C0195

出版社内容情報

スペインの山間部、ネパール奥地、戦火のバグダッド……迫害され続ける人々の魂に寄り添って描き出す、大宅賞作家による渾身のルポ。

『日本の路地を旅する』を超える衝撃がここに

スペインの山間部、ネパール奥地、戦火のバグダッド……迫害され続ける人々の魂に寄り添って描き出す、大宅賞作家による渾身のルポ。

内容説明

スペイン山間部でルーツを隠して暮らす被差別民カゴ、ネパール奥地で売春をする不可触民の少女、戦火のバグダッドでひっそりと生きるロマの女…世界各地の被差別民や難民に寄り添って取材を重ねてきた大宅賞作家による渾身のルポ。出自を隠して生きる者たちの哀しみ、今なお続く差別の実態がここに。

目次

第1章 蒼い砂塵―パレスチナ・ガザ戦記
第2章 バグダッドジム―混迷を深めるイラクで出会ったロマの女
第3章 ゴート族の犬―スペインの被差別民カゴを旅する
第4章 毛沢東と宿命―ネパール革命戦争と売春カースト
第5章 マフィア映画の虚と実―イタリア・マフィアとコルシカ民族主義
第6章 気の毒なウィルタ人―日本とロシアに引き裂かれた北方少数民族の物語

著者等紹介

上原善広[ウエハラヨシヒロ]
1973年大阪府生まれ。ノンフィクション作家。大阪体育大学卒業後、ノンフィクションの取材・執筆を始める。日本各地の被差別部落を訪ねた『日本の路地を旅する』で、2010年、第41回大宅壮一ノンフィクション賞受賞。2012年、『「最も危険な政治家」橋下徹研究』(新潮45)で、編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Miyako Hongo

16
非差別部落に生まれた筆者が世界の戦場、あるいは少数民族を旅して回る紀行エッセイ。□差別も戦争も人間の性、と言ってしまえばそれまでだが、生まれた時からそういう物に近しく生きてきた人だからこそ、大まかにこの方向に進んだんだと思うし、その方向性を整理できずに悩んでるんだと思う。□哲学と科学は違う言葉で「人間とは何か」を語ってるんだけど、それにもう一つ、こういう感情のアプローチがあってもいいかな。どうして、と問うんじゃなくて、あるがままを受け入れる感じ。□ジプシーの語原はエジプト人(エジプシャン)だそうな。2015/07/17

Bo-he-mian

15
同和地区出身で『日本の路地を旅する』の著者が、世界各地の被差別民、難民、紛争地域で虐げられる人々を取材。かなり危険なところにも突撃して行く恐れ知らずな姿勢は、ちょっと高野秀行さんに似てるなぁと感じるが、文章は高野さんと比べて大分マジメ(笑)。パレスチナのガザ地区の、イスラエル人たちのコロニーが点在する一触即発の地域・・・パレスチナ人が入植地に近づくと、平気で狙撃される(上原氏も何度も狙撃されてる・苦笑)という怖すぎる日常、イラク戦争終結直後のバグダッドで、自爆テロの現場を取材・・・おいおいおい(つづく)2018/09/15

しんこい

6
世界中いる差別されたり、出自を隠してくらす民族や人々を訪ねるルポかと思って買いましたが、冒頭なんかは無鉄砲にガザ地区の先頭を見に行っている感じです。それでも現場に行った事で見える事が沢山あるんでしょう。ネパールも、ヒマラヤ山岳地帯とは全く別なジャングル地帯があったのか。2014/10/12

シュークリーム・ヤンキー

5
上原さんのことは知っていたが、はじめて著書を拝読。全編を通して、「差別」「格差」という重いテーマがドライに書かれているのが印象的だ。著者も本作を以降に繋がる「スケッチ」と位置付けているが、取材や文章はかなり簡素で、正直深みに欠けると感じた部分はあった。 それにしても、サハリンの原住民であるウイルタ・ニブフの話は衝撃だった。朝鮮や南洋の話は多少勉強したことがあったが、樺太の話は全く知らなかった。2018/11/13

bela

4
世界各地の被差別民族達や迫害された民族達、紛争地帯に生きる人々をまとめた濃厚なルポ。パレスチナガザ地区のような危険地帯から樺太の辺境の地まで、取材における著書の使命感のような情熱に感心した。日本とロシアの間で生きた北方少数民族達(ウィルタやニブフ)は特に興味深く、こんな悲しい民族達が居たことを知らなかった。この民族達の記念館もとうに閉館したようで多くの日本人が存在を知らぬまま風化していくのであろう。海外の下層社会を知ることで日本の下層社会の問題点を知る事ができる、とても読み応えのある一冊だった。2021/08/23

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