出版社内容情報
幼なじみの少女と少年二人の間には誰にも言えない秘密があった。高校生になり互いへの気持ちに揺らぐ彼らを一年前の罪が追いつめる。
廃校舎に隠した“罪の記憶”――。傑作青春小説
幼なじみの少女と少年二人の間には誰にも言えない秘密があった。高校生になり互いへの気持ちに揺らぐ彼らを一年前の罪が追いつめる。
内容説明
幼馴染みの倉田ミズ、三浦誉、恵悠は廃校になった中学の最後の卒業生。揺らぐ三角関係の中心には、去年の夏休みに変死体で発見された担任教師をめぐる秘密があった。夏が再び訪れ、廃校舎に隠した罪の記憶が三人を追いつめてゆく。ほの暗い恐怖を漂わせながら、少年少女の切ない関係を瑞々しく描く傑作青春小説。
著者等紹介
壁井ユカコ[カベイユカコ]
沖縄出身の父と北海道出身の母を持つ東京生まれ、信州育ち。学習院大学経済学部経営学科卒業。第9回電撃小説大賞“大賞”を受賞し、2003年『キーリ死者たちは荒野に眠る』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takaC
71
買った動機は「解説・瀧井朝世」と書いてあったからだけで、青春小説だというからそのつもりで読んでいたら途中から不思議な展開になって、結局登場人物たちにも読者にも謎は謎のままあっさり終わってしまった。タイトルが意味不明だと思ったら、”Summer-sider” じゃなくて ”Summer Cider” だったとは。それにしても依然よくわからないけどね。2017/07/24
ソラ
56
自分が勝手に思い込んでいたのが悪かったんだろうけど、青春小説というふれこみで読み始めたらなかなか途中から嫉妬や妄執が幅を利かせはじめ、そして最後にはホラーという流れになり、思っていたのとは違う印象だった。最初からそういう小説だと思って読めば良かったんだろうけど、入り方を間違えたがゆえに自分の中ではイマイチ。2014/06/12
ゆかーん
52
「サマーサイダー」という爽やかな言葉。夏の香りとシュワシュワと泡立つ炭酸水を想像させます。青春真っ只中というイメージで読み始めたのですが…。ジワジワと汗ばむドロドロとしたグロテスクな世界でした。キーワードをここで書いてしまうと、重大なネタバレなので書くことができませんが…。一言でいうと「人はなぜ生きるのか」という意味を考えたくなる小説…のように思います。ただ、人の主観はそれぞれなので、気持ち悪いと感じるだけで終わるかもしれませんし、「本能と理性」という意味に悶々として終わるだけの人もいるかもしれません。2015/11/06
dr2006
47
暑過ぎて蝉ですら土から這い出し成虫になるのを躊躇っている。そんな真夏の木陰で飲む冷えたサイダーのように爽やかな作品を期待していたが大いに違った(汗)。3人の主人公、倉田と三浦と恵は幼馴染だ。幼馴染ならではの呪縛のような連続性のある三角関係は、「蝉」の登場で怪しい響きを持ち始めた。ストーリーの骨格は恋愛なるもミステリー、ホラーの要素も強く、展開は後半に向けて躍動的だ。視覚と聴覚に迫る描写が果敢でありハラハラするが、それが壁井さんの作品の魅力を色濃くしていると思う。殆どの切なさは切ないまま終わるのだ。2016/08/07
あおでん@やさどく管理人
33
夏が来たら読もうと思っていた本。うまく言葉にできないが、壁井さんの描く、息苦しい中を必死にもがいていくような少年少女の物語がたまらなく好き。ほのかに暗さや恐怖を漂わせるという、他の作家さんの自分の好みの作品とはちょっと違うような感じなのに。2016/08/08
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