出版社内容情報
小児病棟で起きた点滴殺傷事件。4人の子供の点滴にインスリンが混入され、2人の幼い命が奪われた。物証がないまま逮捕されたのは、生き残った女児の母親。献身的な看病のあまり、周囲との軋轢も生んでいた彼女は取り調べで自白するが、後に否認する。娘を懸命に支えていた母親は冷酷な殺人犯なのか? 弁護士の伊豆原は勝算のない裁判に挑む!
内容説明
小児病棟で起きた点滴殺傷事件。4人の子供の点滴にインスリンが混入され、2人の幼い命が奪われた。物証がないまま逮捕されたのは、生き残った女児の母親。献身的な看病のあまり、周囲との軋轢も生んでいた彼女は取り調べで自白するが、後に否認する。娘を懸命に支えていた母親は冷酷な殺人犯なのか?弁護士の伊豆原は勝算のない裁判に挑む!
著者等紹介
雫井脩介[シズクイシュウスケ]
1968年生まれ。愛知県出身。専修大学文学部卒業。2000年、第四回新潮ミステリー倶楽部賞受賞作『栄光一途』で作家デビュー。04年に『犯人に告ぐ』が「週刊文春ミステリーベスト10」で第一位となり、第七回大藪春彦賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
となりのトウシロウ
82
インスリンが混入された点滴による殺傷事件が小児病棟で起こる。逮捕された小南野々花は被害者で生き残った沙奈の母親だった。取り調べで自白したが後に否認する。のき弁の伊豆原が野々花の裁判の弁護に挑むというストーリー。霧に包まれた真相を明らかにすべく伊豆原が地道に病院の看護師等を調べて回るが、中々この霧は晴れそうにないのが焦ったい。母子家庭の小南家で、母逮捕後に白い目で見られる由惟と沙奈の姉妹。これから始まる裁判はどうなるのか。母を恨む由惟はどうなる。下巻に進む。2024/11/26
はにこ
72
お母さん変わってるなぁ。そんなお母さんが被疑者になった事件。取調べで追い詰められると虚偽の自白で逃れたいと思っちゃうんだろうな。決定的な証拠がないのに、有罪にされるってメチャ怖い。地道な聞き込みは実を結ばないし、娘も疑っている。こんな状況を打破できるのかな。下巻へ。2025/04/04
アッシュ姉
70
読友さんのレビューに惹かれて、久々の雫井さんの長編小説。物証はないが一度自白している被告の弁護に加わった主人公。無罪の確証がなかなか持てず、霧の中を彷徨った上巻。はたして下巻は何が待ち受けているのか。2024/10/31
33 kouch
64
子供が点滴で犠牲になる悲しいお話。犯人と目された母・野々花はあっけらかんとしており、いかにも犯人っぽくない。痴漢冤罪場面も登場するが、ここでも法運用の理不尽さが表れている。一体、法は真実を裁くのではなく、真実を捏造するものなのか。冤罪系のお話で検察の取調べの仕方をみるとつい思ってしまう。勿論本当に罪を犯した者もいるし、きっと彼らは一筋縄ではいかないし、多少過激にもなるのもわからなくもない。冤罪に立ち向かう弁護士の生き様に感動する。社会が背を向けても彼らは諦めない。そんな人間に自分もなりたい。後半も楽しみ2025/05/06
NADIA
59
四人の女児が集まる病室で点滴にインスリンが混入され二人の女児が亡くなる事件が発生。取り調べ中に自白があったと容疑者とされたのは腎炎で入院している紗奈の母親である野々花。献身的な看病で周囲からの称賛を受けるのが心地よく、看病の対象者の回復を邪魔する「代理ミュンヒハウゼン症候群」が動機であるとされた。常日頃、母・野々花の天然ぶりに苦い思いを抱く姉の由惟は母を擁護するどころか犯人と考え、裁判にも非協力的な態度。弁護を受け持つことになった伊豆原も野々花の無実を確信できずにいるが、果たして真相は・・・下巻に続く。2025/04/08
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- 青い扉 新潮文庫