目次
1 人間学とは何か(何のために学ぶのか;伝統と節義に基づく人間学)
2 東洋哲学の精粋(活機と殺機;「命」とは何か;運命は自分で作るもの;国家の運命;「真の自己」の発見;東洋哲学の妙味)
3 達人の人生哲学(君子は自ら反る(孟子)
禍福終始を知って惑わず(荀子)
書を読まざれば面目憎むべし(黄山谷)
倹以て徳を養う(諸葛孔明)
志はまさに高遠を存し(諸葛孔明)
刻〓(れい)して自立す
閑是非・閑煩悩を省了す(王陽明)
天網恢恢、疎にして漏らさず(老子))
著者等紹介
安岡正篤[ヤスオカマサヒロ]
明治31年(1898)、大阪市生まれ。大阪府立四條畷中学、第一高等学校を経て、大正11年、東京帝国大学法学部政治学科卒業。東洋政治哲学・人物学の権威。既に二十代後半から陽明学者として政財界、陸海軍関係者に広く知られ、昭和2年に(財)金〓(けい)学院、同6年に日本農士学校を創立、東洋思想の研究と後進の育成に従事。戦後、昭和24年に師友会を設立、財政界リーダーの啓発・教化につとめ歴代首相より諮問を受く。58年12月逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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5 よういち
103
人間学とは何ぞやという本◆一度読んだだけでは、概要程度も掴めたかは怪しい。言葉の定義が私如きでは、なかなか理解できなかった。とても良いことが書いてあるということだけは伝わってきた。◆学問の本質は知識の学問だけではない。学問の本質とは人間の本質的完成のために在らねばならない。たとえ不安や困惑を感じても、それを抑え、平然と仕事がができるように学問をするのである。◆人間が浅はかで無力であると「宿命」になる。つまり動物的、機械的存在になる。人間が磨かれると「運命」になる。すなわち、自ら命を創造できるようになる。2020/05/05
黒木 素弓
8
とても刺激になった。全然古くない。今の世に十分、通じる。何度も読まなくては。2018/05/10
Tohru Soma
2
心配事は世の中にたくさんあるわけで、不安に感じることがあっても、それを抑えて、平然として仕事、生活に取り組む。これができて初めて主体性、自主性、自立性、すなわち自由を手に入れられる。 まずは、自分のために学ぶこと。 それによって成長する自分を通じて世の人のために尽くす。2016/10/18