出版社内容情報
諸葛亮亡き後、魏延と楊儀が対立。蜀は衰退を始める。魏でも皇帝・曹叡が急死し政権運営を巡って混乱が起こる。時代は新たな局面へ。
諸葛亮、五丈原に薨ず。宮城谷三国志、いよいよ佳境へ!
諸葛亮亡き後、魏延と楊儀が対立。蜀は衰退を始める。魏でも皇帝・曹叡が急死し政権運営を巡って混乱が起こる。時代は新たな局面へ。
内容説明
これからの蜀はどうなるのだろうか。国を支えてきた丞相・諸葛亮が薨じ、遺された皇帝・劉禅と群臣は不安に包まれる。魏でも皇帝・曹叡が崩御。後に立った八歳の曹芳を司馬懿と曹爽の二人が輔弼する体制に。片や司馬懿は軍功を重ねて英名を高め、片や曹爽は浮華の者を集め司馬懿を権力から遠ざけ、蜀への遠征を敢行する。
著者等紹介
宮城谷昌光[ミヤギタニマサミツ]
昭和20(1945)年、蒲郡市に生まれる。早稲田大学文学部卒。出版社勤務のかたわら立原正秋に師事、創作をはじめる。その後帰郷、ながい空白ののち「王家の風日」を完成。平成3年、「天空の舟」で新田次郎文学賞、「夏姫春秋」で直木賞、「重耳」で平成5年度芸術選奨文部大臣賞、「子産」で平成13年の吉川英治文学賞を受賞。平成18年に紫綬褒章を受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Book & Travel
40
あと二巻を残し、早くもというべきか、諸葛亮が五丈原に墜つ。「演義」ベースの天才軍師とは違う描かれ方に最初は少々戸惑ったが、敗戦を糧にして軍を着実に成長させ、内政においてはすべてを担い国力を充実させてきた姿は、やはり抜群に存在感があった。死後に早速起きる魏延のゴタゴタは、その存在の大きさを物語っているようだ。孫権は老害気味、曹叡が死去し、各国とも人物が小粒になる中で、司馬懿の存在感ばかりが大きくなっていく。諸葛亮の兄・諸葛瑾の息の長い活躍と諸葛恪の危なっかしさ、倭国の使者到来等々、この巻も読み応えがあった。2022/08/05
Die-Go
37
図書館本。諸葛亮孔明逝く。魏への北伐を画しながら大志叶わず。そして、魏も混迷の時を迎えていた。★★★★☆2022/05/08
ジュール リブレ
35
もう三国志演義の時代は終わり、残るは孫権のみ。蜀の孔明は、宮城谷版では活躍の場面が乏しく仲達はもまた、当初は弱かった。人には経験が必要であることを改めて教えられる。あと二巻。徐々に寂寥感が募るのみ。2019/09/21
みや
30
三国+遼東間だけではなく、各国内での対立や争いも面白い。孔明の死で蜀が一気に戦力ダウンするかと思いきや、意外にも踏ん張っている。魏延は裏切者という認識が強かったが、彼は彼なりに蜀を愛し、自分の信念を貫いていた。裏切ったのではなく、時代の変化に付いていくことができなかった人なのかもしれない。呉と魏の内部も非常に面白く、実力的には往時より大分見劣りするものの、物語としては魅力的な人物がどんどん登場する。10歳年上の諸葛瑾が敬語で話しかけるのに「読んだよ」とタメ口で話す陸遜のチャラさ全開の若者っぽさが凄く好き。2019/05/24
著者の生き様を学ぶ庵さん
25
魏には孫権の甥たる孫泰を亡きものとしたる満寵、曹叡が宮殿造営を諫する楊阜あり、いづれも忠臣たり。この宮殿は阿房宮より高層にして、中国製バベルの塔ぞ。曹叡は司馬懿の武功により公孫淵を滅し、遼東郡を制すれど、嗣子に幼帝を選定し、斃れ、奸佞の害を招きし帝の一人となりぬる。呉には陸遜・諸葛瑾を越ゆる者、多からず。蜀にては、諸葛亮いよいよ五丈原にて病死す。正史「三國志」が著者・陳寿の言「諸葛亮は管仲と蕭何に亜ぐ」は大仰なり。後任たる費禕(文偉)こそ躬履清倹にして、忠臣不足の蜀を救はむとするか。長旅も大詰めなり。2015/09/27