文春文庫<br> ポリティコン〈下〉

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文春文庫
ポリティコン〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 468p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167900250
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

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内容説明

村の理事長となった東一は、危険なビジネスに手を染め、マヤとも愛人契約を結ぶ。だが、心の渇きは癒されず、あるまじき手段で関係を断ち切ってしまう。十年の後、都会の片隅に沈んだヤマは、憎むべき東一の成功を知る。再会した二人を待ち受けるのは、破滅か新天地か―。性愛の暗部を容赦なく抉った衝撃作!

著者等紹介

桐野夏生[キリノナツオ]
1951年、金沢生まれ。成蹊大学法学部卒業。93年「顔に降りかかる雨」で江戸川乱歩賞受賞。99年『柔らかな頬』で直木賞、2003年『グロテスク』で泉鏡花文学賞、04年『残虐記』で柴田錬三郎賞、05年『魂萌え!』で婦人公論文芸賞、08年『東京島』で谷崎潤一郎賞、09年『女神記』で紫式部文学賞、『ナニカアル』で10年、11年に島清恋愛文学賞と読売文学賞の二賞を受賞。1998年に日本推理作家協会賞を受賞した『OUT』で、2004年エドガー賞(Mystery Writers of America主催)の候補となった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

W-G

323
何があったの?と気になる部分が、丸々時間が飛んでウヤムヤになっており、第二部での各人物の関係性が、やっつけに感じてしまった。一部のラストで真矢が売られて、二部で復讐劇の開幕…とはならなかったが、この展開も嫌いではない。というよりも、真矢の方もなかなか図太い神経しており、一概に被害者とは言えなくないか?と思ってしまうのはダメなことなのだろうか。変に善悪に綺麗すぎることない視線がとてもバランス良く、だからこそ、ラストで二人が打ち解ける場面も納得感があるのだろう。2020/08/31

k5

70
解説を読んで大本教に触れてあったので、なるほど高橋和巳の『邪宗門』の千葉がクズだったらこういう話になるかもな、と思いました。東一は後半、クズさが突き抜けてミーチャ・カラマーゾフみたいなことを言い出してますね。2020/10/02

ito

66
想定していたダークでグロテスクな気分になることはなかった。むしろ少しほっとした。互いに憎み合う壮絶な愛憎劇は、良い意味で裏切られた。不器用で社会の下層で懸命に生きることしかできない二人が、10年の歳月を経てたどり着いた境地は意外な感じがした。上巻で好きになれなかった東一だが、下巻では憎めない一面も見せる。対立しながらも、小さな共同体で支え合って生きる人々が最後にはいとしく思える。それにしても、高齢化や過疎化、食の安全、地方の経済事情などの問題を、閉鎖的な社会の群像劇で描ききる桐野さんを私は尊敬する。2014/05/25

sayan

46
著者の桐野は本作に対して「私は白黒つけがたい、善悪がわからない、そんな薄気味悪い中間地点にいるような人が、好きなんですね。」とインタビューで答えている。本書では、「そんな登場人物」だらけで、新たなユートピア今後を「直接民主主義制」に委ねる。一種の思考実験小説と割り切って極端な展開になると予測しても、実際はそれ以上にスリリングで刺激的だ。それぞれの登場人物が口では「国家」や「大義」を語るも、裏付けのある行動が非常に「個人的」で、そのギャップが可笑しくも、現実社会と大差ないのだろう。(当然、自分自身を含めて)2018/02/10

キムチ

39
男女の性愛を描いた…と言うのは納得しかねる。自然相手の事業管理、まして老若男女、他国籍。価値観の対立はもとより、本能のぶつかり合いがからまって、ボッシュ描くところの饗宴図のようだ。確かに、筆者の力をしてもまとまりがつかない感はなくもないが、読み手のたち位置で色々な宿題や手触りを掴み取らせたかったのやも…と感じたが。でも、軽い読後疲れが。2015/02/19

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