出版社内容情報
学校×音楽シリーズ第一弾は、音楽室が舞台の四篇を収録。落ちこぼれ鼓笛隊、合唱と淡い恋、心を癒す歌、懐かしく切ない少女の物語。
音楽が少女を、優しく強くあたたかく包んでいく
学校×音楽シリーズ第一弾は、音楽室が舞台の四篇を収録。落ちこぼれ鼓笛隊、合唱と淡い恋、心を癒す歌、懐かしく切ない少女の物語。
内容説明
学校と音楽をモチーフに少年少女の揺れ動く心を瑞々しく描いたSchool and Musicシリーズ第一弾は、校舎屋上の音楽室に集う鼓笛隊おちこぼれ組を描いた表題作をはじめ、少女が語り手の四編を収録。嫉妬や憧れ、恋以前の淡い感情、思春期のままならぬ想いが柔らかな旋律と重なり、あたたかく広がってゆく。
著者等紹介
佐藤多佳子[サトウタカコ]
1962年、東京都生まれ。青山学院大学文学部卒業。89年「サマータイム」で月刊MOE童話大賞受賞。『イグアナくんのおじゃまな毎日』で98年度日本児童文学者協会賞、路傍の石文学賞を受賞。『一瞬の風になれ』で2007年に本屋大賞、吉川英治文学新人賞を、2011年に『聖夜』で小学館児童出版文化賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
SJW
183
学校と音楽を題材にして少女たちの微妙に揺れる心を描いた4つの短編集。登場人物の奏でる音楽は拙く、誉められるレベルではないため、練習の場所は第二音楽室のような空いている場所での練習を強いられる。しかし徐々に音楽の楽しさ、グループの一体感、音の調和に喜びを感じて音楽を通して成長していく姿が眩しい。最後の「裸樹」はギター、バンドの話なので、そうだよねと頷きながらとても引き込まれてしまった。堀内孝雄の 「裸樹」が大好きなので、その歌かと思ったら架空の歌だった。2018/09/29
takaC
105
~一度読みはじめたら途中で本を置くのが難しいかもしれない。だってここにあるのはどれも素晴らしい曲ばかりだからポーズボタンなんて押せない。~2016/03/06
昼寝ねこ
102
小学生中学生高校生と複数の世代で音楽を愛する児童生徒たちが活躍する四つの物語。それもブラバン部とかコンクール出場とかの楽器が上手い子ではなく、どこにでもいるような(むしろ楽器演奏が下手な)子たちの物語。1番目から3番目までは小学生と中学生で、楽器演奏の悩みあり恋バナありで微笑ましい。4番目の『裸樹』は主人公が高校生になり人間関係や生き方に苦闘して少々重い。まるで主人公だって成長するんだよと言ってるみたいだ。学校時代を思い出して心に沁みたのでSchool and Musicシリーズの続編も読みたいと思う。2024/08/21
ユメ
76
小、中、高、学校生活の中から、少女たちが音楽と共にあった瞬間を切り取った四篇の物語。誰もいない屋上、放課後の音楽室に響き、空気に溶けてゆくメロディー。ありふれた時間が彼女たちにとって特別なものへと変化するのを、音符が密やかに彩る。感嘆符で溢れるようないわゆる「青春小説」とは違うけれど、ここで奏でられているのは確かに青春の旋律だ。平凡さとかけがえのなさの両面を持つ、しゃぼん玉がぱちんと弾ける前の一瞬のような、透明感と瑞々しさ。多感な時期の繊細な感情と彼女たちが奏でる音楽が重なって、空に広がる様が愛おしい。2014/10/24
dr2006
65
楽器保管庫や準備室のような影の第二音楽室に集まり練習する小中高校生達を描く4短編。鼓笛隊ピアニカパート、男女歌デュエット、リコーダーアンサンブル、ガールズバンド…どんなメンバーや演奏環境であっても、夫々が主人公で青春を築く大切な一ページだ。プロみたく完成された個々の技量に頼るのではなく、練習と信頼関係によって得られる合奏での達成感と高揚感が凄く伝わってきた。中でも特に「裸樹」は、自分も高校は軽音楽部だったので、喜怒哀楽色々思い出してしまい感情移入した。各話明るい余韻があって、続きが読みたいと思った。2020/06/28
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