出版社内容情報
有能な教師の仮面をかぶった学園に潜むモンスター、ハスミンこと蓮見聖司。モリタートの口笛とともに完璧な犯罪が重ねられていく。
内容説明
晨光学院町田高校の英語教師、蓮実聖司はルックスの良さと爽やかな弁舌で、生徒はもちろん、同僚やPTAをも虜にしていた。しかし彼は、邪魔者は躊躇いなく排除する共感性欠如の殺人鬼だった。学校という性善説に基づくシステムに、サイコパスが紛れこんだとき―。ピカレスクロマンの輝きを秘めた戦慄のサイコホラー傑作。
著者等紹介
貴志祐介[キシユウスケ]
1959年大阪生まれ。京都大学経済学部卒。96年「ISOLA」が日本ホラー小説大賞長編賞佳作となり『十三番目の人格‐ISOLA‐』と改題して刊行される。97年『黒い家』で日本ホラー小説大賞、2005年『硝子のハンマー』で日推理作家協会賞、08年『新世界より』で日本SF大賞、11年『ダークゾーン』で将棋ペンクラブ大賞特別賞を受賞する。10年刊行の『悪の教典』は山田風太郎賞を受賞し、同年、宝島社「このミステリーがすごい!2011」国内編第1位、週刊文春「2010年ミステリーベスト10」国内部門第1位に選ばれた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とも
680
対のカラスをフギン(思考)とムニン(記憶)と命名する辺りから既に秀逸さを感じた(笑) 久しぶりにドキドキしながらページを捲ったなぁ。 ハスミン怖ぇ〜〜。どういう結末になるのかワクワクしながら下巻へ。2016/02/24
遥かなる想い
631
2010年度このミステリーがすごい!の国内一位の本が文庫化されたのでさっそく購入して読んだが、やや英語英語教師 蓮実聖司の人物造形が弱い感じがする。下巻の展開に期待。2012/11/04
ミカママ
460
帯に伊藤英明が不遜にほほ笑む写真があったので、どんだけエグいのだろう、と期待満々で読み始めました。案の定、リンチシーンとかすごいね。読んでるこっちの骨までギリギリ音を立てそうでした。さぁ、このサイコパスの行方は?!一気に下巻へ。2013/04/19
青葉麒麟
451
映画を先に観ていたので、柴原=山田孝之で楽しめた。映画版では結構はしょってあるんだね。前半はちょっと退屈だったけど、中盤辺りから蓮実の異常な性格がちょいちょい小出しになって来たのでテンポ良く読めた。しかし今の教師って生徒と関係を持つのに躊躇ないんだね。2014/08/05
sk4
440
これは! サイコパス(日本の法律では精神障害者と定義されており、凶悪殺人犯や強姦殺人犯、重度のストーカー、常習的詐欺師・放火魔・窃盗犯、カルトの指導者などに多い精神病質者)が主人公という恐ろしい本! それも主人公の心情まで事細かく描写されている。「飲み会の金足んねーわ、銀行で下ろそ」ぐらいの軽さで人を殺す。 『青の炎』では追い詰められた高校生が半ば衝動的に完全犯罪を目論む心理を描いていたけど、『悪の経典』では最初からサイコパス。 分厚いけど一気読みです。2012/10/19