出版社内容情報
北朝鮮からの脱出を認めぬ中国の監視をかいくぐれ。成功と失敗、そして投獄。脱北支援に身を投じた著者が見た現実とは。
捕まれば、死の送還。自由へのアジア縦断の旅
北朝鮮からの脱出を認めぬ中国の監視をかいくぐれ。成功と失敗、そして投獄。脱北支援に身を投じた著者が見た現実とは。
内容説明
捕まれば、死の送還が待っている―北朝鮮・金体制の圧制を逃れた「脱北者」たちは、中国政府にとっても招かれざる者たちだった。密告者や当局の監視の目を避けて、ベトナム、カンボジアへと南下する3千キロに及ぶ逃避行。NGOに身を投じ支援活動に従事した著者の成功と失敗、そして入獄した全記録!
目次
序章 中国・南寧
第1章 北朝鮮から来た姉妹
第2章 ハルピン出発
第3章 中国脱出
第4章 拘束
第5章 入獄
第6章 看守所というところ
第7章 裁判、そして出所
終章 北朝鮮から戻ってきた女たちの今
著者等紹介
野口孝行[ノグチタカユキ]
1971年、埼玉県生まれ。アメリカ・アーカンソー州立大学政治学部卒業。その後メーカー、商社などでの勤務を経て、2002年に「北朝鮮難民救援基金」に参加。脱北者支援活動に携わる。現在は、同基金理事を勤めつつ、編集者・ライターとして活動している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
360
本書の刊行は10年前だが、その当時と北朝鮮、中国それぞれの事情はそれほど変わってはいないだろう。著者は北朝鮮からの脱北者を支援するNGO組織に属し、支援活動を行ってきた。前半はその成功篇。ハルビンを出発し、北京、上海、南寧、ハノイを経て、プノンペンから日本へと二人の姉妹を脱出させた。後半は失敗篇。前回と同じルートを試みたものの、南寧で逮捕されてしまう。もっとも、そのお蔭で南寧の看守所(=留置所)に8ヶ月も収監されることになり、およそ信じがたいほどの貴重なレポートを残すことになった。 2020/02/15
ロッキー
18
こういった活動をしている人がいるとは知らなかったので新鮮でおもしろかった。中国で捕まり、投獄されている時の生活もリアルで情景がうかんだ。2014/07/30
たか。
8
不謹慎な言い方になるけど、下手な冒険小説より遥かに面白い。リアルです。それにしても野口さんは凄いです。リスクが大きすぎる。正義感が強い人なんでしょうね。真似はできませんね。それにしても北朝鮮は何とかならないのかな。酷すぎだよ。2013/11/05
さとむ
7
脱北を描いた韓国映画「クロッシング」を思い出した。これまで観た映画の中で最も涙を流した作品で、作中で描かれていた「北朝鮮のリアル」を思うと今でも胸が苦しくなる…。脱北を支援する人々(しかも本作筆者の野口さんたちのように大きなリスクを冒して)が日本にもいることには驚き。また、今週の新聞で「脱北者を装って情報活動をする北朝鮮スパイもいる」との記事を読んだが、人道支援の裏に潜む危うさを知り、空恐ろしくなった。2013/10/25
ちんれん
6
面白い。北朝鮮難民を助けるNPO法人に勤めた著者が中国東北部から列車・バスを使い南方の広西省経由でベトナム、カンボジアへと脱北者を逃し日本に連れ帰る話。スリルに満ちていて面白い。1度成功するものの2度目に公安に捕まり、拘置所、逮捕、長期拘留、罰金と5年間の入国禁止処分を受けて日本に送還されて話が終わる。後半の拘置所での暮らしは若干長くて読み飛ばした。捕まっていても金次第で待遇が変わるところは中国っぽかった。2013/12/21