出版社内容情報
デジタルヒューマニティーズ×イスラーム研究の新展開
デジタル・トランスフォーメーション(DX)により、イスラーム社会にも深甚なる変化が生じている。新たな局面を迎えるイスラーム社会に対し、はたして従来の方法論のみで分析することは可能なのか。研究手法のデジタル化は、膨大なデータを視覚化・数値化するだけでなく、新たな研究対象・方法を生み出し続ける。イスラーム研究をデジタル人文学で捉え直す、気鋭研究者らによる最新の成果。
現在世界人口の4分の1を占めるとされるイスラーム社会は、古代文明でもなければ鎖国しているわけでもない。エジプトのパン屋の店員やイランの地方大学の学生もスマホを持っており、家族や友人との連絡にはSNSやビデオ通話を使う。日本と同様にDX(デジタル・トランスフォーメーション)の波を受けて、AI(人工知能)やビッグデータ、IoT(モノのインターネット)の現代に突入し、イスラーム地域社会も急速に変化している。(「第1章」より)
◎目次
第1章 イスラーム・デジタル人文学ことはじめ 須永恵美子
Column1 アフガニスタン関連資料の電子化――紛争地域における研究資料活用の可能性 登利谷正人
第2章 デジタル化される聖典――クルアーンとハディースの音と文字 竹田敏之
Column2 オンライン説教――YouTubeとInstagram時代のイスラーム 黒田彩加
第3章 閉じられたテキストを世界に向けて広げる――デジタル人文学とイスラーム法学のテキスト研究 塩崎悠輝
Column3 Unicodeとアラビア文字――文字をグローバルに繋げる仕組み 徳原靖浩
第4章 自動文字認識とテキスト化――Transkribusによるウルドゥー語の自動翻刻 須永恵美子
Column4 マイナー手書き書体のデジタル化--Transkribusを用いたアラビア語マグリビー体写本の翻刻 棚橋由賀里
第5章 計量テキスト分析――文字データを量的に解析する方法 山尾大
Column5 アラビア語史料を遠読する――Voyant Toolsを用いた『歴史序説』解析の試み 荒井悠太
第6章 TEIガイドラインとOpenITI mARkdown――マークアップ手法を用いた歴史研究と分析 熊倉和歌子
Column6 RDF--断片的な歴史知識をデータ化する 太田(塚田)
内容説明
デジタル・トランスフォーメーション(DX)により、イスラーム社会にも深甚なる変化が生じている。新たな局面を迎えるイスラーム社会に対し、はたして従来の方法論のみで分析することは可能なのか。研究手法のデジタル化は、膨大なデータを視覚化・数値化するだけでなく、新たな研究対象・方法を生み出し続ける。イスラーム研究をデジタル人文学で捉え直す、気鋭研究者らによる最新の成果。
目次
第1章 イスラーム・デジタルことはじめ
第2章 デジタル化される聖典―クルアーンとハディースの音と文字
第3章 閉じられたテキストを世界に向けて広げる―デジタル人文学とイスラーム法学のテキスト研究
第4章 自動文字認識とテキスト化―Transkribusによるウルドゥー語の自動翻刻
第5章 計量テキスト分析―文字データを量的に解析する方法
第6章 TEIガイドラインとOpenITI mARkdown―マークアップ手法を用いた歴史研究と分析
第7章 ネットワークを可視化する―近世マグリブの伝記史料を題材に
第8章 五線譜のデジタル化―クルアーン第1章第2節を例に
第9章 人工衛星で人間活動を測定する―夜間光画像を利用したラマダーンの分析
著者等紹介
須永恵美子[スナガエミコ]
東京大学附属図書館アジア研究図書館上廣倫理財団寄付研究部門(U‐PARL)特任研究員。日本学術振興会特別研究員(PD)などを経て現職。専門はパキスタン地域研究、南アジアの言語文化
熊倉和歌子[クマクラワカコ]
慶應義塾大学経済学部教授。東京大学附属図書館アジア研究図書館上廣倫理財団寄付研究部門(U‐PARL)特任研究員、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所准教授などを経て現職。専門はエジプト中近世史研究(歴史学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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