文春文庫<br> 人生、何でもあるものさ―本音を申せば〈8〉

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文春文庫
人生、何でもあるものさ―本音を申せば〈8〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 282p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167802905
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

出版社内容情報

人間には非常事態だからこそ、守るべき愉しみがある。3・11直後の日本で、小林信彦は何を想い、何を憂い、何を見ていたのか――。

大震災でも奪えなかったもの

人間には非常事態だからこそ、守るべき愉しみがある。3・11直後の日本で、小林信彦は何を想い、何を憂い、何を見ていたのか――。

内容説明

「今年の正月ほど、神社が混んだことはない」と小林信彦が綴った二か月後、あの大震災と原発事故が起きた。どこまでも不誠実な政治家に憤りを露わにする作家の目は、「咲くものは咲くし、散るものは散る」と満開の桜に吸い寄せられる。非常事態だからこそ愉しみを疎かにしない―コラムの真骨頂がここに。

目次

二〇一一年・正月のおはなし
正月疲れと映画たち
「看護婦の日記」と「パンドラの匣」
映画館の死とウディ・アレン
正月明けの日々
映画難民の嘆き
風邪と“大本営発表”
「その街のこども劇場版」と「バーレスク」
雪との生活
久々の正調西部劇「トゥルー・グリット」〔ほか〕

著者等紹介

小林信彦[コバヤシノブヒコ]
昭和7(1932)年、東京生れ。早稲田大学文学部英文科卒業。翻訳雑誌編集長から作家になる。昭和48(1973)年、「日本の喜劇人」で芸術選奨新人賞受賞。平成18(2006)年、「うらなり」で第54回菊池寛賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kinkin

91
週刊文春に連載されたコラム集。2011年、東北の大地震があった頃のことが映画や演劇、テレビ、自身の事とともに書かれている。氏は当時の管政権についてかなり激しく書いている。よほど気に入らなかったのだろう。氏が今の安倍政権いついてどのような意見を持っているのか知りたい。それにしてもこの連載は長く続いているなあ。週刊文春も週刊新潮も全然読まなくなった。世の中には読んで腹が立ったり不快に思うことが多くありすぎ。嫌なことはできるだけ読まないことにしているのだ。2020/07/17

海猫

60
久々に小林信彦の本を読んだ。東日本大震災について書いているあたりはリアルタイムの生々しさがある。しかし政治や社会批評の部分があんまり響かない。結局なんでもかんでも憂いてるだけという気がしてくる。2015/01/10

えか

27
小林信彦の2011年分の週刊文春に載ったコラムをまとめた本。と、いうことは、当然三月十一日にアレが起こったわけで、その顛末も書いてある。進まない、東電の原発処理。右往左往の菅内閣。自己弁護に努める御用学者。戦時中以来の子供達の集団疎開。当時も腹立たしかったが、今読んでも、やっぱり腹立たしい。多分、三十年後に読む人も腹が立つに違いない。その合間を縫って、挿入される、紳助のヤクザ騒動、注目の映画女優。などの、芸能の話。昔の映画の話。ついつい、読んじゃうね。2023/09/15

marua

7
震災とそれにまつわる報道と当時の政府には、皆が消耗させられた。もちろん、氏も例外ではなかったのだと思う。トーンダウンしている感じは仕方がないのだと思う。それでも、戦時中の大本営発表と重ね合わせることだけは続けてほしい。もう既に70年以上前のこと、当時見聞きしてきた人だけができることだと思うので。2015/02/08

あきかん

5
久しぶりに小林信彦のコラム集。映画や芸事に関する話は相変わらず読ませる。作品を語る時に、その当時の“空気”をふまえた話がおもしろい。それはこのコラムが書かれた2011年のことをありありと思い出させることでもあった。良くも悪くも東京居住者の視線。同時に、氏も年をとっているのだなと切ない気持ちにさせられた。驚いたのは、当時の首相である菅直人への批判というか嫌悪感がこれでもかという表現で随所に出てくること。初出の発表媒体は大喜びだったろう。ここまで毛嫌いする理由を知るために2010年に遡ろう。2015/03/03

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