文春文庫<br> 夏の名残りの薔薇

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文春文庫
夏の名残りの薔薇

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  • サイズ 文庫判/ページ数 411p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784167729028
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

沢渡三姉妹が山奥のクラシック・ホテルで毎年秋に開催する、豪華なパーティ。参加者は、姉妹の甥の嫁で美貌の桜子や、次女の娘で女優の瑞穂など、華やかだが何かと噂のある人物ばかり。不穏な雰囲気のなか、関係者の変死事件が起きる。これは真実なのか、それとも幻か?巻末に杉江松恋氏による評論とインタビューも収録。

著者等紹介

恩田陸[オンダリク]
1964年宮城県生まれ。早稲田大学卒。92年日本ファンタジーノベル大賞の最終候補となった『六番目の小夜子』でデビュー。2005年に『夜のピクニック』で第26回吉川英治文学新人賞と第2回本屋大賞を受賞し、06年には『ユージニア』で第59回日本推理作家協会賞(長編部門)、07年には『中庭の出来事』で第20回山本周五郎賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さてさて

221
『要するに、彼女たちは作り話をするのが習慣なのだった』という沢渡三姉妹が山奥のホテルで開催するパーティーで巻き起こる変死事件に隠された真相を追うこの作品。「去年マリエンバートで」という映画からの夥しい引用の中に、本編との重なり合いを意図して書かれたこの作品。『檻の中で待ち受けている、嘘つきな女たち…本当に罪深いのは ー それはいったい誰なのか』という真実を追い求めるこの作品。恩田作品49冊目となる一冊で、投げ出しそうになるのを何度も堪える読書を経験するとは…恩田ワールドの奥深さを改めて体感した作品でした。2022/12/07

ダイ@2019.11.2~一時休止

147
あとがきなどを読んで恩田さんの狙いはわかるんですが、結局はSFなの?。挿入される場面を筆頭に自分の読解力ではよくわからん。2016/12/01

SJW

145
国立公園内の山頂にある英国風グランドホテルに毎年、沢渡グループの三姉妹がたくさんの関係者を招待する。個別に行われるお茶会、全員が参加する晩餐会で、三姉妹が作り話を続けるが目的は不明である。外は吹雪いて密室のようなホテルで事件が起きていく。語り手が章毎に変わり、事件の内容も章が変わると違った内容になったりと頭が混乱する展開には疲れた。また「去年マリエンバートで」という小説の一部が所々に引用されて、それもさらに混乱する原因のようだ。実験的な試みなのだろうが、不思議感を出すことには成功したと思う。2019/08/01

aoringo

107
帯にミステリと銘打ってあったが、今までも恩田さんのミステリには何度もやられているので前もって心の準備をしてから読んだ。章ごとに語り手が変わりそして殺人事件が起こる。上品で知的で流れるような文章がやっぱり好きです。気になるラストはというと...おー今回はそうきたかーといった感じ。恩田ミステリは何作か読んできたけどこれはまあ納得がいく最後で、楽しんで読むことができました。あとおまけにスペシャルインタビューも載せられていました。ちょっと得した気分♪2022/03/04

ムッネニーク

79
2025年1冊目『夏の名残りの薔薇』(恩田陸 著、2008年3月、文藝春秋) 雪に閉ざされたホテルで巻き起こる“不連続殺人事件“を描いたミステリー。 章ごとに語り手が入れ替わり、しかも認知する現実が各々で奇妙に食い違うという「藪の中」形式を取っている。その上、「去年マリエンバートで/不滅の女」という映画のテキストの断片が端々に挿し込まれるので、読んでいて眩暈を覚えそうになる。 この構造がそれほど上手く作用しているとは思わないが、幻想的な世界観は良い。 〈去年、ここでは本当に何も起きなかったんでしょうか〉2025/01/08

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