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文春文庫
文壇アイドル論

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  • サイズ 文庫判/ページ数 318p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784167717087
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C0195

内容説明

「文学バブルの寵児」ともいえる村上春樹、俵万智、吉本ばなな。「オンナの時代の象徴」となった林真理子、上野千鶴子。「コンビニ化した知と教養の旗手」立花隆、村上龍、田中康夫―。膨大な資料を渉猟して分析した、80~90年代「文壇アイドル」の作家論にして、すぐれた時代論。斎藤美奈子の真骨頂。

目次

1 文学バルブの風景(村上春樹―ゲーム批評にあけくれて;俵万智―歌って踊れるJポエム;吉本ばなな―少女カルチャーの水脈)
2 オンナの時代の選択(林真理子―シンデレラガールの憂鬱;上野千鶴子―バイリンギャルの敵討ち)
3 知と教養のコンビニ化(立花隆―神話に化けたノンフィクション;村上龍―五分後のニュースショー;田中康夫―ブランドという名の思想)

著者等紹介

斎藤美奈子[サイトウミナコ]
文芸評論家。1956年新潟市生まれ。成城大学経済学部卒業。児童書等の編集者を経て、94年『妊娠小説』(ちくま文庫)でデビュー。2002年『文章読本さん江』(筑摩書房)で第1回小林秀雄賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かわうそ

46
★★★☆☆斎藤美奈子は立花隆先生の批判を依頼された時に集団で個人を批判する気はないと断ったという話を読んだ時に人間的に立派な人だと思った。ただし、彼女は批判したがりガールなのは確かだ。佐高信と同じ匂いがする笑。さらにもし斎藤美奈子がもう1人いればその斎藤美奈子は斎藤美奈子の批判をするだろうなとつまり斎藤美奈子自身も「文壇アイドル」になっていることに気づいていないし決して自分が批判屋になっていることも気づいていない。2017/04/04

Aminadab

22
親本2002年刊の1980年代作家論。この著者だから辛口。同時代の評価(書評や評論)をたっぷり引用しているのが特徴。まずベストセラーを出した3人、村上春樹・俵万智・吉本ばなな。いずれも中身はコンサバだというのだが、ベストセラーとはそういうものでは。続いて88年にアグネス論争で衝突した林真理子と上野千鶴子を通じて当時のフェミニズムを総括。立花隆を経て最後に村上龍と田中康夫を対比する。立花以外は全然読んでないのですごく勉強になった。20何年前の本だがぜんぜん現役でお薦め。というかその後の文壇が低調なのかも。2024/04/30

harass

20
文壇のアイドル?だった作家8人を当時の批評や世相から総括する。80年代の出版文化についての話でもある。80年代は、自分は当時かじっただけであるが出てくる作家や評論家の名前に懐かしさを感じ、手際よく論ずる著者の巧みさが素晴らしい。この中で本をまともに読んだのは村上龍の4冊ぐらいで途中で追うのをやめた記憶があったが、この論評を読むとああなるほどなと納得した。エッセイは確かに粗雑だったわ。個人的に感心したのは、立花隆と吉本ばななの項目か。コバルト文庫の系譜であることと形式についての指摘は面白い。2012/07/13

佐島楓

16
作家や著作、その周辺の論評を語っているように見えて、しっかりとした時代論になっている。といっても、80年代当時は私も子どもだったので、想像することしかできない部分も多々あったが。春樹論では私はレベル1から2の間をうろうろするくらいか。ばなな論でのコバルト文庫起源説もピンと来るようで来なかったので、今度ちょっと新井素子さんあたりを読んでみたい。まあ結局は出版する側も読む側もまだまだ男社会なんだよな、で結論。この最後の閉じ方が上手かった。2012/02/06

ふみ

15
知っていそうでよく知らない80~90年の文学論(?)いまいち詳しくない作家たちが引かれているんでざざっととばし読む。そうなんだよね〜俵万智って定型命なのよね、破調の歌はあんまりない。で、おじさん達にこの上なく愛されたワケあたりの見識は実に頷けるもので面白く読了。それと読んだことないけど田中康夫がひいてあるのもちょっとおもしろかった。2023/08/28

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