内容説明
時は唐代、太宗の御代のこと。一人の高僧が、取経のために天竺へと旅立った。その名は玄奘三蔵。親世音菩薩は、三歳が無事に天竺へ着けるよう、ゆえあって天界を追われたものたちにいずれ来る三蔵と共に天竺へ参るよう言い渡す。師弟の愛、仲間との絆、旅を通じて成長していく姿を余すところなく描く、いままでで一番美しい「西遊記」。
著者等紹介
平岩弓枝[ヒライワユミエ]
昭和7(1932)年、代々木八幡神社の一人娘として生れる。30年日本女子大国文科卒業後、小説家を志し戸川幸夫に師事。ついで長谷川伸主宰の新鷹会へ入会。34年7月「鏨師」で第41回直木賞を受賞。平成3年「花影の花」で第25回吉川英治文学賞受賞。平成10年、第46回菊池寛賞を受賞。平成16年、文化功労者。テレビドラマ、芝居の脚本も数多い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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S.Mori
26
最高に面白かった!痛快冒険活劇です。例えば、四章では悟空と黒大王の死力を尽くした闘いが描かれます。玄奘の袈裟を盗んだ黒大王を退治するために、悟空は天上界と地上を往復したり、霊薬に化けて大王の腹に潜り込んだりと大忙し。リアリズムの小説ではなく、一種のファンタジーなので随所に出てくる幻想的な描写が魅力的でした。一番素晴らしいのは作中のしみじみとした情感です。これは作者の代表作「御宿かわせみシリーズ」と共通しています。腕力に物を言わして突っ走りがちになる悟空が、玄奘のことを思いやる場面などはほろりとしました。2020/07/23
Kira
19
何度目かの再読。久しぶりに読むと、泣けてきそうで困る。けなげにがんばる悟空が、たまらなく愛おしい。その悟空を見守る観音様の慈愛に満ちた言葉に、目頭が熱くなる。帯にある「いままででいちばん美しい『西遊記』」というのは大げさではなく、本当のことだと思う。2023/01/16
ちゅんさん
16
へぇー、こんな風に三蔵の弟子になったんだと。悟空、猪八戒、沙悟浄それぞれのストーリーを楽しみながらとりあえず一巻読了。私が好きな悟空のあの話は??と思いながら二巻へ。2017/11/08
えりまき
15
2024(220)2005年12月14日から2007年7月10日、毎日新聞連載。「師となる者は、弟子とともに学び、ともに精進し、ともに成長する」。平岩さんが描く、いままででいちばん美しい「西遊記」。玄奘三蔵、悟空、八戒、悟浄が出会い、天竺への旅が始まる。 2024/08/08
しき
10
キャラが確立されていて楽しいし、挿絵も味があって素敵!西遊記は子供向けの本だかアニメだかで見たくらいで、細部を知らなかったので、なかなか面白い。悟空が出家の身だったとは!頭の中でゴダイゴを歌いつつ(サビしかわからないんだけどね)2巻へ・・・。2011/03/29