内容説明
娘が惨殺された。妻子と別れ、無頼な生活を送っていたワイリーは、その凶報で目覚めた。娘を殺したのは娼婦を狙う異常殺人者。ワイリーは復讐のために、そいつを追いはじめた。だが殺人犯を保護する謎の組織の影が…タフで非情な語り口に、悲しみを微かに漂わせて描く熱い復讐の物語。ハードボイルドの快感に満ちた力作。
著者等紹介
ウェイウェイオール,ロノ[ウェイウェイオール,ロノ][Waiwaiole,Lono]
サンフランシスコ生まれ。現在はオレゴン州ポートランド在住。社会科と英語の教師であるほか、プロのポーカー・プレイヤーでもある。2003年『鎮魂歌は歌わない』で作家デビュー。アンソニー賞最優秀新人賞の候補となった
高橋恭美子[タカハシクミコ]
1960(昭和35)年、富山県生まれ。関西外国語大学卒業。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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紅はこべ
22
愛する者を理不尽な暴力で奪われた者が復讐のために立ち上がるというのは、ハリウッド映画の典型だが、この小説はそういう定番の設定を使いながら、語り口が何か不思議に独特。ハードボイルドでありながらドライでもなく、ウェットにも流れず、主人公ワイリーとその協力者レオンの悲しみと怒りを淡々と描きながら、何やら不思議な明るさを併せ持つ暗い色調を感じる。2010/01/15
co_taro
3
いわゆるダメ男のワイリー、しかし周りの女たちは彼の復活をどこかで信じている。彼と道を断ってからも、叱咤し再生を願っている。そんな転落人生は、娘の死と売春婦だったという衝撃で反転する。きれいごとでは生きられぬ街で、譲れないものへの価値を仲間たちと見つける。乗り越えねばならない気持ちに落とし前をつけ、男は復讐に向かう。弔いを償いと変えることが出来たのか。殺るか殺られるか、緊迫に満ちた対決の果ての虚無感の向こうに見えたものこそがラストのそれであったことを願う2008/10/25
tom
2
解説によれば、今は見かけなくなってしまったハードボイルドなんだそうだ。言っちゃ悪いが、恨みを晴らすために、人を殺し続けるという定型パターン。続編の帯を読み、面白そうだったので、この本からと思って読み始めたのだけど、かなり残念。30年前だったら格好良い男の物語だったのかな。2011/05/27
jake
1
3.52011/11/22
ななべぇ
1
慣れるのに少し時間がかかる 男くささ。 いちいちカッコいい。新しさはなく、終始立ち止まって足踏みしてるみたいな話しの流れ。文章そのものを楽しむ本。「雨がなにもかも洗い流してくれるわけではないことにようやく気付いて〜」2015/06/08