内容説明
中国の密航船が沈没、10人の密航者がニューヨークへ上陸した。同船に乗り込んでいた国際手配中の犯罪組織の大物“ゴースト”は、自分の顔を知った密航者たちの抹殺を開始した。科学捜査の天才ライムが後を追うが、ゴーストの正体はまったく不明、逃げた密航者たちの居場所も不明だ―果たして冷血の殺戮は止められるのか。ドンデン返しとサスペンスの天才ディーヴァーの大人気シリーズ第四弾。
著者等紹介
ディーヴァー,ジェフリー[ディーヴァー,ジェフリー][Deaver,Jeffery]
1950年シカゴ生まれ。ミズーリ大学でジャーナリズムを専攻。雑誌記者、弁護士を経て40歳でフルタイムの小説家となる
池田真紀子[イケダマキコ]
1966年東京生まれ。上智大学法学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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修一朗
119
今回は蛇頭の殺し屋が敵役さん。ディープな科学捜査に加えて,ニューヨークのチャイナタウンを舞台にした中国風俗が詳細で興味津々。文革時代の迫害の歴史を各キャラクターの出自に使ったり,風水文化が捜査のキモになっていたりと,読むと,おぉ,作者はこんな風に見てるんだ―とワタシが読んでもめっぽう面白い。作者が中華系文化に敬意を払って取材したのだと思う。GC-MSで無機分析っておかしいだろ!は相変わらずだけど。下巻へ。。2017/11/30
bookkeeper
103
★★★☆☆ 再読。中国からアメリカへの密航船に同乗した乗客を根絶やしにしようとする"ゴースト"と、それを阻止せんとするライム達の知恵比べ。 ライムが信頼する客観的事実とは異質な言葉を話す中国系の人々。目が離せない感じの刑事ソニー、サックスの関節痛を気にかけてくれる漢方医ジョン他、気になる人たちが多いけど、ストーリーを忘れてしまっている。ゴーストは誰だ?"冥界の十王"とか"紅色"とか、独特の言い回しが格好良い。背後に気をつけて下巻にいくよ、老板。 「その場所に行くんだ。かならず私が連れ戻す。心配するな」2019/10/23
nobby
93
何となく中国からアメリカへの密航を巡る背景に馴染めず長年途中で置いてた。中盤リー刑事の合流からようやく物語が進み出す。でも、ここまではレギュラーメンバー以外にはあまり惹かれず…ディーヴァー作品なのでただでは終わらないとは思うが。近い所に黒幕いそうな雰囲気感じながら、最後での衝撃の展開!これはそのまま下巻へ(笑)今のところ?なタイトルの“石の猿”、はたしてどんな意味を成してくるのか。2014/12/23
Tetchy
90
West Meets East。本作の主題を一言で表すとこうなるだろうか。中国からの密入国者とそれを抹殺する蛇頭の殺し屋の捜索に図らずも中国から密入国してきた刑事ソニー・リーと協同して捜査することになったライムとリーとの交流が実に面白い。物語の構図は相変わらず殺し屋対ライムだが、マンネリに陥らないようアクセントを付けている。本書の名バイプレイヤーはまさしくこのソニー・リーだ。あくまで物的証拠を重視し、刑事の勘などを一切認めなかったライムが本書では東洋の特異な考え方のためにリーに頼るところが面白い。2011/10/06
再び読書
89
心底腐っているゴーストとの戦いにむなくそが悪くなる。いつもと違って頭脳戦ではなく、ライムとゴーストのすれ違いか際立つ。すんでのところでライムから逃れたゴーストの反撃が始まるのか?次巻か楽しみである。ただデルレイの危機で終わる韓国ドラマの終わりの感が読書を惹きつける。アメリアとのロマンスどころでは無い序章、これからどれだけ上がり下がりがあるのか、またもやジェットコースターは続く!2017/04/04