文春文庫
獣どもの街

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  • サイズ 文庫判/ページ数 325p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784167705374
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

映画のロケ中に起きた殺人。刑事リックは犯人を目撃した女優ドナを護衛しつつ、拷問も暴力も辞さず事件を追う。やがて浮かんだのは、闇に葬られた陰惨な犯罪だった…。腐敗と悪徳の警察組織に生きるリックと美女ドナを襲う三つの凶悪犯罪。暗黒小説の帝王が久々に現代を舞台に描く殺傷力抜群の暗黒小説。

著者等紹介

エルロイ,ジェイムズ[エルロイ,ジェイムズ][Ellroy,James]
1948年ロサンジェルス生まれ。10歳のとき母親を何者かに殺害され、やがて犯罪者同然の生活を送るも更生、作家となる。巧緻きわまる構成と熱病めいた文体で、独自の文学世界を切り開いた“アメリカ文学界の狂犬”

田村義進[タムラヨシノブ]
1950(昭和25)年、大阪市生まれ。金沢大学法文学部中退。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

キジネコ

34
エルロイは凶暴である。粗野で剥き出しの欲望をかたる。読むには体力と、それなりの覚悟がいる。人の悪を駆逐する毒のごとき男の執心、驚くべきは純愛。作家自身の抱える解けない謎、人間の業の渦巻くロスは、アメリカだけでばなく今を生きる私達の世界の縮図でもあり、読者自身の鏡像でもありそうです。読後に痛みはない、そこに吹く風は爽快でさえある。この毒は癖になる。さて次に手を出すには「ホワイトジャズ」あたりか?とほくそ笑みむ私は、既にエルロイ中毒。頭韻を踏みリズムを刻み、ステップするピンスポットの中で踊る奴の汗が光る。2015/10/09

林 一歩

26
「現代アメリカ文学界の狂犬」と呼ばれるだけのぶっ飛んだ内容で不満は無いのだが、敢えて苦言を呈するならば翻訳者が『韻』にこだわり過ぎてエルロイ独特のリズム感を完全に殺いでいる。そこが勿体無い。2013/05/14

DEE

15
暴力と腐敗にまみれたLAが舞台のノワールには、やはりこの人がよく似合う。 必要最小限の、というか必要なことも省いてるんじゃないかとすら思えるぶっきらぼうな文章。でもそれがいいと思わせる圧倒的な力強さ。 言葉遊びのように頭韻がたくさん出てくるのだけど、聞いたこともないような日本語を駆使して再現した訳者の仕事に脱帽。2020/08/12

Satoshi

13
久しぶりにエルロイを読んだ。こんなに読みにくかったっけと思いながら読み進める。悪徳警官と破天荒な女優のカップルによる物語。ゲイの殺人鬼、過去の殺人事件そしてイスラム過激派のテロリズム。これらが独特の文体で繰り広げられる。原文で読まないとその魅力は分からないのであろうが、邦訳でも雰囲気は感じられる。2023/07/10

バ度ホワイト

11
再読。女優ドナ(銃をもつと容赦なく撃つ)とおれ(リック・ジェンソン刑事)の犯罪解決遍歴。1983年、2004年、2005年の三篇。1983年『ハリウッドのファック小屋』が面白すぎるしラストはびっくりで、あ~そうだった~と思い出しながら読んだ。他二篇はおもいっきり忘れてた。とにかく人も犯罪もごちゃごちゃし過ぎてて、こりゃ忘れるわな。これ全編犬小説でもありリッジバックのリジーの活躍も楽しい。相変わらず股間に顔をうずめております。全身犀ファッションてどういうこと?2018/09/05

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