内容説明
戦後、一代で財閥を築いた鉄鋼王・菅沼丑平の死をきっかけに暴かれていく、政財界を巻き込んだ巨額の不正。長期にわたる菅沼の粉飾決算を助けたのは傘下の運輸会社の社長・井戸原俊敏だった。戦争末期に軍需省の上官と共謀して物資を隠匿した過去をもつ井戸原は、上流階級出身の妻をも手中におさめ、財界進出を目論んでいた。
著者等紹介
松本清張[マツモトセイチョウ]
1909(明治42)年12月、福岡県企救郡板櫃村(現・北九州市)に生れる。53(昭和28)年「或る『小倉日記』伝」で第28回芥川賞を受賞。56年、それまで勤めていた朝日新聞社広告部を退職し、作家生活に入る。63年「日本の黒い霧」などの業績により第6回日本ジャーナリスト会議賞受賞。67年第1回吉川英治文学賞受賞。70年第18回菊池寛賞、90年朝日賞受賞。92(平成4)年8月死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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