出版社内容情報
いよいよクライマックス 「二・二六事件」へ突入
陸軍省内で白昼堂々軍務局長を斬殺した「相沢事件」。新資料を駆使して軍閥暗闘の内幕を解明していく。他に「軍閥の暗闘」「相沢公判」
担当編集者より
いよいよ本書の核となる「二・二六事件」に突入。「永田閣下に天誅を加えてきました」——皇道派・統制派の争いは熾烈さを増し、遂に相沢中佐は、統制派の大物であった永田鉄山軍務局長を陸軍省内で白昼に斬殺するという前代未聞の事件を引き起こす。執念の取材により初公開される新資料で軍閥の暗闘が白日の下に晒されていく。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
榊原 香織
128
シリーズ5 いよいよ226の前段階へ(まだ) 永田鉄山が切り殺された、相沢事件は以前から知りたかった。何故?と思ってたが、ただの”狂”ぽいですね。犯人相沢中佐の写真は凄いインパクトあります2024/10/20
がらくたどん
51
清張の226②本書は226の前哨とも言える「相沢事件」の全容。226の前年、陸軍省局長が白昼に現役陸軍中佐に暗殺された。堂々と執務室を訪問し軍刀で斬殺し退出したところを取り押さえられるという異様な暗殺事件だった。相沢は敬愛する真崎の罷免が永田局長によるものだと飛び交う怪文書から「確信し」犯行に及んだという。しかし清張は真崎罷免のまさかの首謀者を初公開の資料から天皇の側近宮家と推察する。皇道派のドンを排除したのは宮家?真崎罷免が相沢と言う狂気を動かし軍を皇室の手に負えない暴走組織にした事を想うと皮肉である。2025/04/13
i-miya
41
2011.04.13 9.スパイMの謀略。 1. S07.10.07、朝刊。大森ギャング事件。大森署。非常線。警視庁。「532×」思想的背景の下の犯行ではないか、と新聞。8日付、非合法関係方面の連中ではないか。→思想関係との見込みは漸次薄弱となり、不良説が大半となる。毛利特高課長。 2. 十円札のNo. 川崎百五銀行大森支店。今泉喜一の懐から出た札。同月1日、小石川白山の不動貯蓄銀行、狙われ未遂。岡山の中国銀行岡山支店も狙われた。 2011/04/16
金吾
30
○相沢事件から相沢公判を読むにつけ、この事案がかなり226事件のターニングポイントになったと感じます。一時的とはいえ、軍法会議の主催者である1師団長が相沢中佐は無罪という発言をしたことに驚きを感じると共に、事象ではなく理念で物事を捉えがちな民族性にゾッとしました。2022/12/22
KAZOO
30
この巻から清張が力を注いだ2.26事件が始まります。なんで軍隊の中での暗闘があるのでしょうか?派閥で殺しあうということはあまりないと思うのですが。歴史にifはないのですが、いつもこの事件がなかったならばと思ってしまいます。とっかかりは相沢中佐による永田軍務局長の惨殺ですね。この事件を清張はかなり詳しく描いています。2014/10/18