文春文庫
ふたたびの恋

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  • サイズ 文庫判/ページ数 280p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784167687045
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

「わたしを助けて」。休暇で沖縄へ来た脚本家の前に、かつての恋人が現われる。彼女は「恋愛ドラマの教祖」と呼ばれる売れっ子脚本家となっていた。土曜ドラマのためのシナリオを二人で作り上げていく、息苦しいような四日間の後に…。じんわりとせつない恋の短篇集。他に遺作となった次回作プロットを収録。

著者等紹介

野沢尚[ノザワヒサシ]
1960年、愛知県生まれ。日本大学芸術学部卒。83年、『V.マドンナ大戦争』の脚本により城戸賞準入賞。99年、テレビ脚本『結婚前夜』『眠れる森』で向田邦子賞受賞。小説家としては97年、『破線のマリス』で江戸川乱歩賞を受賞し本格デビュー。同年、『恋愛時代』で島清恋愛文学賞、2001年、『深紅』で吉川英治文学新人賞を受賞。2004年、急逝(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

にせものばかり

12
野沢さんの短編集。いずれも恋愛がテーマです。野沢さんの新作がもう読めないのが残念です・・。2014/02/26

horihori【レビューがたまって追っつかない】

8
思い出の地で再会した元恋人達「ふたたびの恋」 息子の友達に恋のときめきを思い出す主婦「恋のきずな」 息子を亡くした夫婦の絶望と再出発「さようならを言う恋」 脚本家だけあって、情景がクリアに浮かぶ。 深く考えなくてもイメージが沸く話は、すごく楽。 ネタも重くないのでサクサク2時間程度で読了。 「恋のきずな」が好き。 恋から戦線離脱してる主婦が高校生の息子の同級生にときめく。 危ういところで思い留まるんだけど、忘れていたフワフワとした気持ちが描かれていてキュウンとなった。 2008/03/16

James Hayashi

7
野沢尚の三つの恋愛短編集。切なさが伝わってきていい。本の読み始めは、登場人物や背景を理解するのにてまどるものもあり、(読み進める)めんどくささと期待感が交錯するが、著者の作品はかなりすんなり入れる。それはシナリオライターも兼任されておられたからだろう。テレビ、映画の視聴者の心をガッシリ掴む手法をよく知っておられる。また、構成も素晴らしい。四本目の短編はプロットのみ。著者の遺作となったもの。作品の手がけ方など参考になった。10点満点中8点2013/09/11

智哉

7
過去と現実の狭間でかき乱される感情。無駄のないストレートな語り口。どの作品も短編で終わらせてしまうのがもったいない完成度。三作目が一番印象的だが、なほの我儘はいただけない。もし自分なら、親族に遭遇した瞬間、我を忘れていると思う。部屋に戻って、なほの話を聞く気持ちには、到底なれない。2012/11/08

乱読999+α

5
随分と前から積読本となっていた4つの恋愛短編小説と野沢尚氏の遺稿となった1つの小説のプロットを掲載したもの。「深紅」や「破線のマリス」のようなサスペンス、ミステリィとは異なるテイスト とい言おうかこちらの方が彼にとっては本業なんだろうが、悲しくも切ない恋の物語。男と女の別れと出逢いの揺れ動く心情の機微を描くのは真骨頂だろう。その文章や文言は卓越している。「さよならを言う恋」では涙をも誘う。やはり早すぎる彼の死を改めて悼む。2017/02/14

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