内容説明
十代の頃から四十年間にわたって総連にすべてをささげ、中央本部財政局副局長までのぼりつめた著者が経験した、秘密結社「学習組」の実態や、総連式オルグ術、対韓国「スパイ」工作、パチンコと地上げによる錬金術など、知られざる活動を語り、「同胞に害を及ぼす」腐敗との訣別に至る経緯を明らかにする。
目次
第1章 帰国事業前夜(自転車部隊;大空襲 ほか)
第2章 学習組に入る―政治部の時代(「君を労働党員に推薦する」;自己批判と相互批判 ほか)
第3章 「南朝鮮の悪辣な陰謀に抗議せよ!」―宣伝局の時代(会えなかった兄妹;学園スパイ浸透事件 ほか)
第4章 朝鮮総連の錬金術と闇の送金ルート―財政局の時代(九月マルスム;パチンコ事業に乗り出す ほか)
著者等紹介
韓光煕[ハングァンヒ]
1941年東京生まれ。高校卒業後、朝鮮総連栃木県本部下都賀支部に入り、青年同盟などを経て、中央本部財政局副局長を務める。99年、朝鮮総連から離脱
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感想・レビュー
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ヘタ
20
元総連幹部の活動記録。思想教育、オルグ活動、資金作り、工作船接岸ポイント作り等々、突っ込んで説明されている。読んでいて、安全保障に対し我々日本人がどれほど怠惰であったかと耳元で怒鳴られている思いがした。我が国国民の手で安全を高めていかないといけないもんね。よその国が慈善でなんとかしてくれるわけでもないし、してもらうべきものでもない。謀略工作を無策の言い訳にしてはならないと思うョ。難しいことだけど情報の虚実を見極め、そして責任ある選択、行動をしたいですョ。同胞を見捨てる国であってほしくないんだュ。2018/09/05
ステビア
16
朝鮮総連の内部事情を暴露。帰国事業の促進、スパイ養成、パチンコ店経営から地上げまで。在日同胞の互助組織だったはずなのにいつの間にか本国への送金機関になってしまったのだった。2020/05/30
スウィーニー校長
15
★★★★☆ 朝鮮総連の元幹部が語った、在日朝鮮人、北朝鮮、朝鮮総連。 進んで北に献金し、北の指示に従順に従う主体性の無さ。 理解に苦しむその総連の態度は、教祖を盲目的に信じるカルト教団と同じだな…2018/10/14
出世八五郎
15
左遷された元朝鮮総連幹部の回顧録。拉致の言及なし。総連は80年代後半パチンコ経営に乗り出し一号店は山形。以後山形にパチ屋が増える。山形のとある私立高がハングル教育しているのも関係ありか。同じく80年代後半地上げ屋を始め、日本一の地上げ屋集団となる。酷いもんです。帰国事業の時に本国に帰らなかった在日の言い分は『北鮮でそんないい生活ができるわけない』ということ。左翼文化人、共産党員ともお付き合いがある。偉人の回顧録とは違いつまらないと思うけど、言えない事もあり貴重な証言録です。随分儲け芸能界への影響も強い!?2014/12/31
にゅ
7
過去の朝鮮総聯の活動について詳細に解説した本。パチ屋やホルモン屋に朝鮮系が多いことも納得。当時、一段地位の低かった在日朝鮮人にはそれくらいしか仕事がなかったが、身入りは多いため、80年代は大いに潤った。賤業とされた金融で発展したユダヤ人と似た境遇ではないか。しかし、教育に投資して世界的に活躍するユダヤ人と違って、朝鮮総聯は北朝鮮本国の金集め機関となり、バブル崩壊や日本行政との対立の中没落していくことになる。その境遇には同情できるものの、しかしまあ…蜜出入国、違法送金、拉致、こんなにやりたい放題されてたのか2021/01/01