内容説明
会津若松を退去し、仙台へ向った土方歳三たちは、当地で旧幕府海軍を率いてきた榎本武揚たちと合流し、蝦夷地を目指す。松前藩や新政府軍を一蹴し、歳三は榎本たちと新国家樹立を宣言した。時に明治元年十二月十五日であった。明くる年、春になるのを待っていた新政府軍は大挙して海を渡り、歳三最期の戦いが始まった。
著者等紹介
広瀬仁紀[ヒロセヨシノリ]
1931年、東京生まれ。成城大学経済学部卒。総合雑誌の編集長を経て、76年、直木賞候補となった『適塾の維新』で作家デビュー。経済小説、時代小説と幅広いジャンルで活躍するが、95年1月逝去
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感想・レビュー
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只三郎
24
新選組風雲録最終巻は箱館戦争、そして土方歳三の最期の話しとなります。 30歳という若すぎる死。今の自分より10歳以上も若くして亡くなったと思うと、感慨深くなってしまいます。 出来れば生き残って、明治という時代 で駆け抜ける姿を見せて欲しかった。2016/03/30
小雀✡ずーっと積読減強化月……
12
仙台を抜けて蝦夷から終幕まで。 無謀だとわかっていながらも『やらなければ!』となっていく、不運に不運が重なる。そんな中での二股峠の激戦勝利は鳥肌が立ちます。 生かせる者は生かす!共に戦って来たフランス軍人や市村鉄之助を脱出させ、忠助や島田魁達に殉死を禁じて最期を迎える副長に号泣。 清水の舞台に始まり、清水の舞台で終わらせたのは最初から決めていた事の様な気もするけど、もう少し忠助の心情を色濃く描いもらいたかった。 2015/09/16
rei
8
超絶良い男っぷりは続くのだがどことなく死へ向かって身辺整理をしているような土方さん。そのせいか物語全体も彩度をなくしてモノクロームで進んでいるような印象だ・・・。野村・・・連れ帰っちゃうのね・・・史実がどうとかいいよね、きっと連れて帰りたかっただろうからね。忠助と鉄之助を呼び出してのシーンとか、すうっと、ろうそくの炎が消えていくかのような土方さんの最期も舞台劇とかのお芝居のワンシーンみたいなんだけどでも・・・泣く。ああ、しかしシリーズ通して著者の土方さんへの惚れっぷりがひしひしと感じる小説だったなぁ。2013/04/21
ちびごん
7
ついに最終巻、函館編。敗北へと突き進んでいく。函館編は本当に胸が詰まる。新選組副長として最期を遂げた土方歳三がどうしようもなく切ない。2016/03/18
saba
4
「俺が名は…」「新選組副長土方歳三」「(!!)」「新選組が薩摩の参謀に用ありとすれば、首が所望の他はない」はあーかっこいい。2014/03/26