内容説明
ニューヨーク州ロングアイランドの東端、オリエント岬の沖合に浮かぶプラムアイランド。この島は動物疫病研究所が占拠し、その高い危険性ゆえに完全隔離されている。そのせいか島は細菌兵器開発疑惑に包まれている。ある日、研究所勤務の科学者夫婦が射殺された。捜査の結果、夫婦に島から危険な細菌を持ち出した容疑がかかる。
著者等紹介
デミル,ネルソン[デミル,ネルソン][DeMille,Nelson]
1943年、ニューヨーク市クイーンズ生れ。ホフストラ大学在学中、歩兵中尉としてヴェトナム戦争に従軍、帰国後いくつかの警察小説を書いたのち、「誓約」で力量を認められ、ベストセラー作家となる
上田公子[ウエダキミコ]
昭和5(1930)年、神戸市生れ。熊本県立女専英文科卒業
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
翔亀
31
【コロナ19-1】マンハッタンから橋で渡ると大きな横長の島が横たわっている。ロングアイランドだ。その先端の小さな島がプラムアイランドである。この隔離された島に米国政府の「動物疾病研究所」が実在する。ここでフィリピンから検査のために持ち込まれた豚からエボラウイルスが検出された事実もあるようだし(レストンエボラなので人は発症しない)、生物兵器の開発がされているのではないかとの疑惑も報道されたこともあるという(一社)予防衛生協会のHPより)。そんなプラムアイランドを舞台に、ウイルス研究者が射殺される。↓2020/06/06
わたなべよしお
30
コナリー、最高。ネスポ、圧巻。スローター 、超絶。ウィンズロウ、極上。でも、僕が愛してやまないのはネルソン・デミル。中でも、ジョン・コーリー・シリーズは特に気に入っている。「横柄で、自己中心的で、頑固な男性優越主義の豚野郎」と自認するニューヨーク市警殺人課刑事の言動を一度は味わってほしい。勿論、ストーリー展開も秀逸です。さて下巻に進みますか。2023/03/04
再び読書
27
児玉氏の本で絶賛されているネルソン・デミル氏三作目だが、ジョン・コーリーシリーズでは1作目にあたる。動物検疫所で、彼の知人の夫婦が殺害される。細菌兵器で、エボラ、炭疽菌、古くは種類は違えどもサリンまで思い出させる。こんな犯罪は未然に片づける以外に無い。後半に怪しい人物が二人出てきて、捜査は進展していくかと期待させての終わり、下巻が楽しみ2024/03/07
Cinejazz
21
エボラ、コレラ、炭疽菌・・・細菌兵器開発の小島 「プラムアイランド」の動物疫病研究所に勤務する科学者夫婦が射殺された。細菌兵器拡散か⁈・・・ロングアイランドで療養休暇中のニュ-ヨ-ク市警殺人課警部(ジョン・コーリ-)は、殺人捜査を委託され真相究明に乗り出すが、地元警察の女刑事、FBIとCIA捜査官らが複雑に絡み合うなか、“恐怖の島” に隠された歴史の迷宮に翻弄されていくことに・・・。機智とユーモアの才にたけ、善悪の分別を超越した男・ジョン・コーリ-の炸裂する人物描写の虜にならずにいられない↓2025/04/01
タツ フカガワ
20
ニューヨーク市警殺人課のジョン・コーリー刑事は犯人追跡中に銃弾3発を受け、ロングアイランドで療養中。その地で友人のトムとジュディのゴードン夫妻が射殺され捜査に加わることに。夫妻ともに科学者で近くのプラムアイランド島の動物疫病研究所で働いていたことから、犯行の背景に疫病ウイルス流出が浮上する。緊迫のサスペンス小説かというと、さにあらず。『誓約』『チャーム・スクール』と同じ作者かと思うほど事件はほとんど進展しない前半は退屈な読書でしたが、後半持ち直して、さて下巻はどんな展開になるのやら。2020/08/25
-
- 電子書籍
- 人殺しの血 祥伝社文庫