出版社内容情報
木星の衛星に水があった。生命の可能性も? 20世紀から始まる太陽系惑星探査の歴史を辿り、近年の驚くべき宇宙研究の進歩を紹介。
内容説明
地球外生命体へのメッセージを携えたヴォイジャーから30年。地球は、太陽系でただひとつの生命を抱える惑星と思われていた。しかしこの10年での探査機による調査は、長足の進歩を遂げ、驚くべき事実を続々と伝えている。米ソの宇宙開発競争から日本の「はやぶさ」に至るまで太陽系探査をわかりやすく紹介する。
目次
第1章 太陽―闇と光
第2章 水星―異端者
第3章 金星―摂氏五〇〇度の温室
第4章 地球そして月―海の魔術
第5章 火星―火星年代記
第6章 小惑星―外へ向かう衝動
第7章 木星―宇宙の目
第8章 土星―無限の環
第9章 天王星と海王星―巨大惑星のハーモニー
第10章 冥王星とカイパーベルト―ターミネーション・ショック
著者等紹介
コーフィールド,リチャード[コーフィールド,リチャード][Corfield,Richard]
1962年生まれ。イギリス放送大学地球惑星宇宙天文研究センター客員上級講師研究員。イギリス・オックスフォードシャー在住。サイエンスライターとしても活躍し、講演活動や番組制作、メディアへの出演も多い
水谷淳[ミズタニジュン]
翻訳家。東京大学理学部卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ntahima
54
いやあ、久々の感動!S.シン著『宇宙創成』を読んで以来、ホーキング博士に代表される宇宙物理学者の本を主に読んできた。SFの追随を許さないアクロバチックな理論展開には興奮させられる。但、観測データや実験結果が基盤になっているとは言え、理論面が強過ぎるのも否めない。それに比べ、惑星探査は有人無人拘わらず、フロンティアスピリットに溢れている。21世紀の『コスモス』と言えば過褒か?ひとつだけ残念なのが、太陽系には惑星が水金地火木土天海冥の9つ、いや冥が落ちて8つしかないこと。倍ぐらいあれば、もっと楽しめたのだが。2012/07/10
GaGa
42
いやあ、非常に良い本です。太陽系に属する惑星と小惑星に対して、過去から現在まで人類が知りえたことと知りえる過程が網羅してあります。勿論ハヤブサに対しての記述もあり。中でも水星がこのような不可思議惑星だとは思わなかった。木星の衛星エウロパや土星の衛星タイタンなど、まだまだ宇宙への興味は尽きません。2011/08/16
Miyako Hongo
17
土星のタイタンとか木星のガニメデとか、SFによく出てくる衛星って今どんな感じかなと思って読んでみた。人類がこういう惑星で資源採掘や工業生産する日は来るんだろうか。□4章の地球の章が地学ではなく生物の話になっていたのはちょっとアレかな。天文学者もその星に生命はいるのか、ってことは気になってるんだろうか。色々ひっくるめて、有機生命だけが生命とは限らない気はするんだけど(SF読み過ぎ)。□ちょっと前にエウロパから水蒸気が吹き上がってる写真が公開されたけど、分厚い氷の下に生き物がいたら面白いだろうな。2017/04/30
kazu
9
読み終わるのに、すごく時間がかかってしまいましたが、面白い本でした。太陽系の惑星探査の歴史を知る事ができていいです。パイオニアやヴォイジャと一緒に太陽系を旅してるような感覚を味わえました。インターネットを検索すると、あっさりと情報が手に入るので、太陽系の広さを忘れそうですが、各惑星を調査しようと思えば、莫大な費用と時間を必要とする事を改めて認識しました。やっぱ、はやぶさすごいなぁ。あかつきは再投入できるかな。色々と興味が出てきますね。2012/01/19
Mzo
9
太陽系の各天体のデータだけでなくそれを得るためのNASA等の苦労が書かれてて面白い。捻りのない言葉で申し訳ないが科学の進歩って凄いなぁ。はやぶさにも触れられてて嬉しいぞ。ただ各天体順に記載してるため宇宙開発史の時系列が分かりにくくなってるのがちょっと残念。仕方ないけど……2011/04/23