内容説明
1947年、11人の搭乗員を乗せたB‐29キー・バードが、悪天候に巻き込まれ、グリーンランド北部に不時着。半世紀近い歳月が流れ、ヴィンテージ大戦機ブームが過熱するなか、この幻の飛行機を修理し、飛びたたせる計画が持ち上がるが…。失われたロマンを求める男たちの、飽くなき冒険心と執念を描いた傑作ノンフィクション。
目次
凍結された記憶
きょうだぞ
キー・バードの最後の飛行
氷上の“超空の要塞”
大戦機フィーヴァー
はやい者勝ち
門戸開放
夢物語を生きる
クマのしっぽ
参った
火と氷
煙
貴金属
特異な情熱
スーナー
レイター
最後のすばらしいマシン
キー・バードの帰還
著者等紹介
ホフマン,カール[ホフマン,カール][Hoffman,Carl]
1960年生れ。フリーランスのジャーナリスト
北沢和彦[キタザワカズヒコ]
昭和26(1951)年、東京生れ。東北大学文学部卒業
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スプリント
6
沈んだ船を探すクライブ・カッスラーの航空機版ですが、こちらは墜落した航空機を探すだけでなく再び飛び立たせようとする人々が軸になっています。もはやパラノイアとしか表現できない熱情にとりつかれた人々の奮闘は読んでいて面白いです。2015/06/28
nizi
4
不時着した大戦期を直しては飛ばし、回収する人たちの物語。美しいから欲しいという、女性が宝石に感じる欲望に似た動機がある。ロマンの塊のような男たちであり、ドラマで見るようなアメリカ人たちだった。2024/09/15
へべれけ軍曹
1
1947年にグリーンランドの雪上へ不時着したB29「キーバード」。47年後の1994年、雪上に横たわるそれをその場で修理し、雪と氷の上を滑走、離陸させて回収しようと言う男達のノンフィクション。これが実話と言うのが驚き。 大戦機を回収・修復する引き揚げ人、それらの大戦機を購入する大金持ちのコレクター。全員が飛行機に「取り憑かれている」と言う表現が相応しい。 引き揚げ人の他人の迷惑を気にも留めずリスクを恐れない、環境汚染も気にしないいかにもアメリカ人らしいバイタリティ溢れる姿が印象的。2018/03/30
丰
1
kee bird2013/05/07
風見草
1
コレクター向けに第二次大戦期を調達してくるブローカー達の話です。藁しべ長者のように中古軍用機を交換して調達する話、グリーンランドの氷の平原で修復をする苦労、修復チームの人間関係の軋轢など、第二次大戦機保存の裏側を垣間見せる一冊です。