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文春文庫
霊鬼頼朝

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  • サイズ 文庫判/ページ数 332p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784167629052
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

父を平治の乱で失した源頼朝は、鎌倉幕府を開くまでに、叔父や従兄弟たちと骨肉の争いを続け、実弟の範頼、義経までをも死に追いやる。血に塗れた源氏の棟梁たる地位は、頼朝だけでなく頼家、実朝と、次代にもその血を求めた。鎌倉時代を描いて当代随一の著者による源氏四代に亘る血のつながりを綴る傑作歴史小説短編集。

著者等紹介

高橋直樹[タカハシナオキ]
1960年、東京都生まれ。92年に「尼子悲話」(『闇の松明』に収録)でオール讀物新人賞を受賞。97年に『鎌倉擾乱』で中山義秀文学賞を受賞するなど、本格的な歴史作家として活躍している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

レアル

54
こちら頼朝に纏わる人たちの短編。この時代を得意としない私は、頼朝近辺の家系図片手に読んだ。その影響か読み終える頃には頼朝の周りの人たちの相関図が頭に入ったし、苦手&いろんな人たちの話が読めた事を考えると長編より短編の方が良い。短編と言えば物足りなさを感じるものもあるが、こちら読み応え抜群で、次読む時は相関図云々ではなく、物語を楽しめるようになりたい。2018/01/08

巨峰

27
平家の滅亡から源氏の嫡流断絶までの流れを頼朝が唯一自在に使えた御使雑色清恒を交えて、4つの短編小説で記す。3篇目まではやや物足りないが、4最後の源実朝が主人公の「源太の産衣」は、和田義盛の存在もあって出色のでき。この時代の小説をもっと読みたいのだが、数が少なくて・・・大河ドラマ「平清盛」も低調な視聴率でしたし、この時代が舞台では映像も小説も大きなヒットは望めないのでしょうか。そんななか高橋直樹の存在は貴重です。2012/12/29

エドワード

21
最初と最後が、鶴岡八幡宮で源実朝が公暁に殺される場面。繰り返し読んでいる、鎌倉幕府最大の悲劇だ。源頼家の遺児・禅暁、源義経、藤原泰衡、源実朝、四人の物語を通じて浮かび上がる、あまりに大きな存在であった源頼朝の生涯とその思考。「武士が敗れた時は死ぬ時だ。」「武士の本分は敵討ちだ。」これは呪縛だ。武士政権のこのような根本精神では、平和な世の中が築けるわけがない。頼朝と義経、北条氏と比企氏、義時と実朝、共に戦った者同士が敵対して戦う殺伐の都、鎌倉。終章の、源氏の血筋を残すべく苦闘する源実朝の深い孤独が心に響く。2019/05/08

20
短編四つとは思えないほど濃かった…。河内源氏蠱毒壺から逃れるには、片眼を潰すくらいの覚悟がなければ無理なのね。赤ちゃん実朝が和田義盛に抱っこされて漏らしちゃったと、爺になった和田義盛が繰り返し回想するシーンには先日和田塚に手を合わせてきたばかりだったこともあって、胸が痛くなった。鎌倉時代ってホント悼ましい時代だと思います。だがそこが好きなのだった。2015/04/11

はるり

9
貞暁や実朝、公暁を貫く、見えない源氏の血『頼朝』。『頼朝』に囚われたモノ、それぞれの処し方を硬めの文章で描かれていて、短編だが読み応えがあった。『実朝の微笑が凄絶にゆがむ』実朝の内面が集約されているように感じられ、1番好きな場面。2016/02/22

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