出版社内容情報
御家人の職をしくじり大番屋元締となった鏡三郎のもとに、今日もまた厄介ごとが持ち込まれる。おまけに娘が離縁して、悩みは増すばかり。
内容説明
故あって勘定方から追われた拝郷鏡三郎は、大番屋の元締に納まり、日々持ち込まれる厄介事を捌いている。素姓の知れない“お姫様”を預かったある日、娘婿から突然、離縁を言い出され、仔細を聞けば、これが面倒な話、勝気な娘はどんな所業に及ぶことやら…。市井の事件と鏡三郎の親心が織りなす人情ドラマ。好評シリーズ第四弾。
著者等紹介
佐藤雅美[サトウマサヨシ]
昭和16(1941)年、兵庫県生まれ。早稲田大学法学部卒業。会社勤務を経て、43年よりフリーに。60年、処女作「大君の通貨」で、第4回新田次郎文学賞受賞。平成6年「恵比寿屋喜兵衛手控え」で、第110回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kei302
57
村上豊さんの装画、いいねぇ~。「おれは鬼か?」「まいります」、読み終わっても、意味、分からなかったけど。知穂と三九郎の離縁、手習い所の相方の結婚、罪人の子どもを引き取るなど、知穂の周辺が大きく変化した。 男座の新しい師匠と親密な様子で、心穏やかでない鏡三郎。心配しなくても、知穂はもう大丈夫だよ。 2022/01/06
baba
33
村上豊さんの挿画も懐かしく、久しぶりの佐藤氏の文章、淡々としていて読みやすい。揉めている中で潔く「まいります、捨てる神より拾う鬼」味わい深い。2023/02/05
ひかつば@呑ん読会堪能中
9
不思議な面白さ満載の第4弾。鏡三郎は捕物をするわけでもなくただ話を聞いているだけ。勝手に展開される話に思わず苦笑してしまうというパターンだが、娘夫婦が絡んでくると鏡三郎も黙って見ているいわけにはいかない。しかしこの娘の行動、発言は鏡三郎の想像をはるかに上回り、あたふたする鏡三郎がまた何とも可笑しい。今後の娘の動向に目が離せないな。2013/07/03
Hironobu
7
シリーズ第4弾。素性の知れないお姫様を預かることになる鏡三郎。知穂ちゃんの離婚と三九郎も再婚するわで大忙し。男座にも動きあり。続きが気になる。佐藤雅美さんは安定した面白さ。2017/03/28
ジュール
4
縮尻鏡三郎シリーズ、連続読み。「知穂の一言」美男子にのぼせて家でしたお姫様を仕方なく家に置いている鏡三郎。知穂の一言で目が覚める痛快。その娘の知穂は離婚。強がっていても前の旦那は再婚し、別の男も結婚していなくなる。寂しい。2020/05/12