内容説明
肥後の大大名細川家の基礎を築き、「神道歌道の国師」とも称された幽斎。第十三代将軍義輝の異母弟として生まれ、室町幕府の名門細川家の養子となり、足利将軍家二代を支え、それでいて信長、秀吉、家康のいずれからも厚遇を受けた。戦国動乱の興亡を如何に生き抜いたのか、その出処進退の鮮やかさと諸芸に通じた文人武将の生涯。
著者等紹介
佐藤雅美[サトウマサヨシ]
昭和16(1941)年、兵庫県生まれ。早稲田大学法学部卒業。会社勤務を経て、43年よりフリーに。60年、処女作「大君の通貨」で、第4回新田次郎文学賞受賞。平成6年、「恵比寿屋喜兵衛手控え」で、第110回直木賞を受賞する
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感想・レビュー
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あきまこ
6
細川忠興のお父さんで、ガラシャの舅さん。将軍の異母兄弟とのことはなんとなく知ってはいたけど、これを読んで、しっかり理解したい。この時代の偉い方は奥さんが何人もいたり、養子にしてから結婚したり、血縁を理解するのに時間がかかります。本筋とは逸れますが、父に従い、夫に従い、夫なき後は子に従う、「三従」の教えが印象に残り、なんとなくしんどい思いです。こういう時代のものをいつかは面白く読めるようになりたいです。2015/06/09
けいちか
2
肥後の細川家の基礎を築き、息子忠興の嫁は有名な細川ガラシャ(明智光秀の娘の玉)だった人の一生を書いたもの。何となくは知っていたけれど、こういう話か、と思うと感慨深い。元々室町幕府の第十三代将軍の異母弟として生まれたこともあり、京都周辺で育ち、武士でもあり、当時の有名な文化人であった幽斎。なかなか人間関係に関しては先見の明があったようである。2007/02/02
熱東風(あちこち)
1
細川藤孝の生涯を淡々と綴った小説。2013/05/31
オルレアンの聖たぬき
1
腕っ節だけではなく文化で戦国を駆け抜けた方もいたのですよ。2012/03/24
コウラク
1
細川幽斎というパーフェクト超人を扱っているわりに、淡々としている。足利義昭を将軍に押し上げるまでがピーク。もっとあったんじゃないか。ていうか、なければ盛ればいいと思うのだけど。小説としての熱さやおもしろさが…ないんだなあ、これが。2012/03/12
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