出版社内容情報
悪党者を取り締まる八州廻りの桑山十兵衛は男やもめ。各地で事件を解決する内に判明した、娘の真の父、亡妻の意外な密通相手とは
内容説明
関東取締役出役―関八州の悪党者を取り締まる通称“八州廻り”の桑山十兵衛は男やもめ。事件を追って諸国奔走の日々を送る十兵衛に、江戸でも難題が持ち上った。そして、発覚した亡き妻の意外な密通相手、愛娘の真の父親とは?各地の情趣を織り交ぜながら、時代小説の醍醐味を堪能させる大好評の新捕物帖。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひかつば@呑ん読会堪能中
12
他の作品、居眠り紋蔵、縮尻鏡三郎と相通じるのは、己の使命に忠実な主人公が家庭にトラブルを持っており、遭遇した事件を鮮やかに謎解くこともあるが、成り行きにギャフンと言わせられることもある何とも魅力的な男であるところかな。この作品も連作短編でそれぞれ結末のひねり方が実に見事だが、最終話はチト切ないなぁ。 2013/07/18
ジュール
10
再読。 桑山十兵衛シリーズの最初。剣の腕はたつが、スーパーヒーロとまではいかない、上役との折り合いも悪い十兵衛。人情にもほだされる。 天職が関八州の警察官の八州回り。他のシリーズも再読していきたい。2020/08/20
icchiy
9
関東取締役出役、俗に言う関八州廻りの活躍を描く本書。江戸ではなく関八州の悪党を相手に捕物をする。関八州のことは聞いていたものの物語として読むのは初めて。なので江戸中心の同心、与力、岡っ引きなどが活躍する捕物とは少し違う。旅が中心となり一回の捜索には50日くらいかかる。これがとても新鮮で読み始めるともう止まらない(笑)2020/04/05
nyaboko
8
最後の結末にはポカーンとするのと同時に笑ったw 案外人生こういうもんかもしれない。思い違いも見当違いもするし、家庭内で悩みも抱えてるし、己の早とちりで友人無くしたりと、欠点だらけの主人公。事件解決もうまくいく場合とヘタ打つ場合と。そんな主人公やお話に魅力を感じる方にお勧め。読後感スッキリとはいかないので、読み手を選ぶとは思います。2013/02/20
tnyak
6
佐藤作品を初読み。主人公の十兵衛は個性的かつ魅力的な人物だ。一見とぼけているようだが、仕事はできるし、優しさと柔軟さ、そして賢さを兼ね備えている。地理には不案内なので、どこをどう廻っているか私にはよく分からないが・・・・2019/10/17
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