出版社内容情報
放蕩のかぎりを尽くした祖父に導かれ、僕は七〇年代のパリに辿りつく。青春の蹉跌を描いた日本冒険小説協会最優秀短編賞受賞作
内容説明
「エトランゼーの自由は甘美な毒」戦前のパリで放蕩の限りを尽くした祖父の手紙に導かれ、僕は70年代のパリにたどりついた。そこで出会った日本人は、イカサマ賭博で食いつなぐ元プロレスラー、高級娼婦となった女子留学生、贋作専門の画家崩れ、謎の剣術指南…。旅情あふれる日本冒険小説協会最優秀短篇賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
11
藤田さんの古めの作品はあまり読んでいなかったので、新鮮な気分。主人公があまり自己主張しないハードボイルド&ミステリーのような感じで、さらっと読めました。フランスには旅行計画うっすらありなので、実現したら街の隅々まで見てこよう。それにしても、三十年くらい前ってフェルメールの評価は今ほどじゃなかったんでしょうか?2011/09/01
カワセミ440
0
図書館で予約した本がなかなか来ないので適当に藤田さんのこの作品を選びました。藤田さんは舞台となったパリで同時期に住んでいたようで、ジモティのようにイキイキと当時の風俗を含め、楽しそうに書いてますね。最近のちょっと枯れた作風の藤田さんもいいけど、16年前の、売れる前の頃もまた良いものです。『鋼鉄の騎士』もそういえばこれと同じ頃に書かれたはずです。図書館では余り人気がないようなので、藤田作品を読んでいってみようかな?2011/06/11