内容説明
「いつか私がこの世から片づいてしまったあとも、これらのものは、どこかの誰かの手に渡って、また新しい主人のために生き続けていくだろう―」。飾り棚、真珠、手燭、浴衣、はんこ、腕時計、ダイヤモンド…これまで共に生きてきた、かけ替えのない道具や小物との思い出を、愛情たっぷりに綴った名エッセイ。待望の復刻版。
目次
徳利
盃
一位の箸
飯茶碗
珍味入れ
手塩皿
ようじ入れ
おしぼり
箸おき
しょうゆつぎ〔ほか〕
著者等紹介
高峰秀子[タカミネヒデコ]
大正13(1924)年北海道生まれ。5歳のとき「子役」として映画界にデビュー。その後、「二十四の瞳」「浮雲」「名もなく貧しく美しく」など多数の映画に出演。著書に「わたしの渡世日記」(日本エッセイスト・クラブ賞受賞)などがある
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本はことばの花束本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kuukazoo
15
有名な方ですが初読。日々使いのモノについてのエッセイ。時代による価値観の違いはあるがそれを越えるユーモアで楽しく読めてしまう。「まかりいでたる茶づけの供にそうろう」とか「アクビをしている風呂敷」とかモノへの愛しさを感じさせる擬人的描写が時々出てきて読んでる方もついにこにこしてしまう。レオノール藤田嗣治画伯の今だとヤバいのではエピソード...そんな変な人だったんですか?と驚きであった。2023/09/16
ぶんこ
11
女優の高峰秀子さんのエッセイを読んでいて、映画の為にお琴を習った時の事が書かれていました。それによると あの 宮城道雄 先生に直々に習いに行かれて、「千鳥」 「六段」 を、なんと1週間 !!! でひけるようになった。もう、びっくりです。私は、この2曲を終えるのに半年以上かかっています。 贅沢ではなく、毎日の生活を楽しむ為に、お気に入りにだけ身近に置く。そのセンスの良さに脱帽です。
うちこ
9
昭和36年の時点でお正月をハワイで過ごしていたくらいの銀幕の大スターだった人なのに、文章の中にはウンコとかコキ使うとか、労働者のマッチョなワードが登場していて笑えます。振り幅がすごすぎて。 自分が子役女優で売れてから金の亡者になってしまった養母に対する複雑な思い(好きな気持ちと恨みの感情)がモノにまつわるエピソードとして淡々と綴られていて、ハードすぎるDVを受けながらも大人を観察して教養を身につけてきたタフネスが文章に詰まっていました。 末尾の「私の身辺ワースト・テンとベスト・テン」という文章が面白い!2024/10/08
きりぱい
8
愛用品にまつわるエッセイ。人生の半分以上を女優として生きながら、新しい服装や装飾品に興味はなく、食器や生活空間での古道具に惹かれたと言うだけあって、渋いセレクトが並ぶ。一輪ざしは徳利に、小皿は灰皿にと、普段使いの愛用にして使い方は大らか。写真も多く、ことのほか楽しいのはやっぱり気風のいい口調のエッセイ部分。親しみやすいのに気高いようなところがあって、粋で、りりしくて、度量が広くて、なんて人間性豊かでチャーミングな人なんだろうと思う。2011/08/23
奥山 有為
7
あんまり合わなかったなー、残念。2017/05/12