文春文庫
玻璃の天

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  • サイズ 文庫判/ページ数 246p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784167586058
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

ステンドグラスの天窓から墜落死した思想家。事故か、殺人か――英子の推理が辿りついた切ない真相とは。大好評のシリーズ第2弾!

内容説明

昭和初期の帝都を舞台に、令嬢と女性運転手が不思議に挑むベッキーさんシリーズ第二弾。犬猿の仲の両家手打ちの場で起きた絵画消失の謎を解く「幻の橋」、手紙の暗号を手がかりに、失踪した友人を探す「想夫恋」、ステンドグラスの天窓から墜落した思想家の死の真相を探る「玻璃の天」の三篇を収録。

著者等紹介

北村薫[キタムラカオル]
昭和24(1949)年、埼玉県生れ。早稲田大学第一文学部卒業。大学時代はミステリ・クラブに所属。高校で教鞭を執りながら、昭和59年創元推理文庫版日本探偵小説全集を編集部と共同編集。平成元(1989)年、「空飛ぶ馬」でデビュー。平成3年、「夜の蝉」で日本推理作家協会賞、平成18年、「ニッポン硬貨の謎」で本格ミステリ大賞評論賞、平成21年「鷲と雪」で直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

射手座の天使あきちゃん

172
解説のある文庫のありがたさを思いました。桐原大尉とベッキーさん「あなたに、ドアを開けさせはしませんでしたよ」の一言に深い心の通い合いがあったとは・・・ 暗い時代の奔流が人々を飲み込んで行く中で英子さんとベッキーさんの行く末が心配ですね、でも「お嬢さま 参りましょう」2011/05/01

ちょろこ

129
前作よりも重みが増してきた、一冊。時が経ち、やがて世の中が暗さに包まれる…そんな不穏な空気が漂う今作。謎解きも人物像も更に重みを増してきた気がした。英子の推理は知識と教養がしっかり身についているからこその推理。そこにさりげなくヒントを投げかけるベッキーさんとの会話は頭の中が整理されていく感覚だ。そして霧が晴れるように視界がクリアになった瞬間に見えた真相。今作はどれもせつない余韻。特に表題作の余韻が心に残る。ベッキーさんの言葉、このラストシーンにどれだけの思いが凝縮されているのか…しばし思いを馳せた。2020/02/26

emico

127
昭和初期の、花村家令嬢と女性運転手ベッキーさんの短編集第2弾。この時代は階級や、性別の区別がはっきりしていて言いたい事も、したい事もままならない時代なんだと感じて考えさせる所もありました。ミステリーと一概には言えず、昭和初期の時代小説という感じで、静かに読める作品でした。2014/10/03

Aya Murakami

125
玻璃の天で異教徒の命を大事にする神様ならいくらでも拝むという感じのセリフが妙に心に残りました。美しいステンドグラスを作りながら残忍な十字軍作戦をする人物の心情…。どんな心情なのでしょうか?2018/08/13

ひさか

120
オール讀物2005年11月号:幻の橋、2006年7月号:想夫恋、2006年11月号:玻璃の天の3つの短編を2007年4月文藝春秋から刊行。ベッキーさんシリーズ2作目。2009年9月文春文庫化。第137回(2007年上半期)直木賞候補作。登場人物たちに魅力があります。時代の雰囲気も良く出ていて、楽しめました。2018/07/30

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