出版社内容情報
ライター・滋子の許に舞い込んだ奇妙な依頼。その真偽を探るべく16年前の殺人事件を追う滋子の眼前に、驚愕の真実が露になる!
内容説明
彼の告白には、まだ余白がある。まだ何かが隠されている。親と子をめぐる謎に満ちた物語が、新たなる謎を呼ぶ。
著者等紹介
宮部みゆき[ミヤベミユキ]
1960年生まれ、東京・深川育ち。法律事務所勤務を経て、87年「我らが隣人の犯罪」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。以降、「龍は眠る」で日本推理作家協会賞(92年)、「本所深川ふしぎ草紙」で吉川英治文学新人賞(同年)、「火車」で山本周五郎賞(93年)、「蒲生邸事件」で日本SF大賞(97年)、「理由」で直木賞(99年)、「模倣犯」で毎日出版文化賞特別賞(2001年)、「名もなき毒」で吉川英治文学賞(07年)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
376
(承前)人は誰しも幸福になりたいと願う権利がある。幸福のレベルをどこに設けるか、幸福になるためなら手段を選ぶべきか、幸福とは金かそれ以外のもので手に入るのかで事態は変わる。日本中が金まみれになったバブル期に乗り遅れた欲望肥大症の若者が、金欲や性欲を満たすためには手段を選ばなかったことが土井崎家の娘殺しにつながった。十数年を経て明るみに出た真実は心が痛いが、同時に悪人は徹底してワルであり、弱者はイライラするほど弱い設定はうんざりする。そんな状況を心が読める少年の超能力が打破しても、正直カタルシスは薄かった。2022/03/27
青葉麒麟
313
前巻と違って敏子の出番が激減したけど、出て来る度に良い事をホロッと言うのは、本人の性格が良いからか。敏子にとっては幸せな未来が直ぐそこまで迫っているけど、誠子はコレからが大変なのかも(/。\)赤の他人だったら簡単に切り捨てられるけど、血の繋がった家族は中々捨てれないよねぇ。重たい内容だったけど、読後感は爽やか。2013/06/08
とも
312
流石宮部みゆき。ドカンとひっくり返す様な驚きの展開はないけど、静かにゆっくりと読み手を宮部ワールドに引っ張り込みます。模倣犯は未読ですが十分楽しめました。表題となっている「楽園」のくだりは自分の読み込みが浅い為か、理解が浅く消化不良な点は残るけど印象深く読了。模倣犯も読もっと。2016/12/28
さくゆめ
252
きっと私は網川浩一という人間を一生忘れられないんだろう。下巻に入りますます夢中でストーリーを追いながら、頭の片隅には常にこの稀代の犯罪者がいた。ちらっと名前が出ようものならもうダメ。体中アンテナとなって全神経が彼に向かうのが分かった。なんなの?ピースは私のなんなの?シゲと茜、予想以上に最悪だった二人の悪辣っぷりを前に、”ピースに比べたら小者もいいとこだな”なんて思った自分に愕然。ですから宮部さんにお願いします。一刻も早くピースを忘れてしまいたいので、どうか彼主軸のスピンオフを…!私をこの呪縛から解放して!2019/09/14
射手座の天使あきちゃん
226
下巻は息もつかずに読みました! 等くんの他人の記憶を見る能力よりも、前畑滋子さんの超人的推理力によほど超能力を感じました!(笑) ただ話は超能力云々より土井崎夫婦の贖罪と誠子の真実を求める葛藤の物語でしたね、重いけれど一筋の光が感じられるエンディングに納得 (^_^)v2012/05/12