出版社内容情報
男気、女気、人間味――井上陽水、北野武、松井秀喜、宮沢りえ、高倉健など、異能の人々の素顔が垣間見える、著者ならではの交遊録。
『大人の流儀』に並ぶ名エッセイ集
男気、女気、人間味――井上陽水、北野武、松井秀喜、宮沢りえ、高倉健など、異能の人々の素顔が垣間見える、著者ならではの交遊録。
内容説明
私というボロ船には指針というものがなかった。向かうべき陸が見えなかった。それでも、迷惑のかけどおしの私にやさしく声をかけてくれたり、手を差しのべてくれた綺羅星のごとき人たちがいた。北野武、高倉健、井上陽水、宮沢りえ、松井秀喜…。航海の空にまたたく星々の明かりを活力として、私はまた櫓を漕ぎ出すのだ。
目次
色川武大のやわらかい指
ギャンブルと食道楽
武豊の15番ホール
キヨッツァンの眼
井上陽水のキャッチボール
バイキンという名のバー
銀座のマダムの肖像
山口洋子の女っ振り
鬼脚のくれた勇気
ミロの不器用さ〔ほか〕
著者等紹介
伊集院静[イジュウインシズカ]
1950年、山口県生まれ。立教大学文学部日本文学科卒業。1991年「乳房」で第12回吉川英治文学新人賞受賞。92年「受け月」で第107回直木三十五賞受賞。94年「機関車先生」で第7回柴田錬三郎賞受賞。2002年「ごろごろ」で第36回吉川英治文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kinkin
83
先月ブックオフで、入って一番最初に手に取った本。この時びっくりしたことがこの後で書きます。内容は伊集院静さんの、お名前通り静かな語り口で、読んでいて気持ちよくなれる本。いろんな人と付き合いがあるみたいだが、彼の付き合いは、ベタベタした付き合いでないところが感じがいい。私も、あんまり口数が多かったり、自分のことを語りすぎの苦手だ。他の人も書かれているが魅力的な「大人」だと思った。実はこんな人が、私にも近くにいた。後半は別途つぶやきます。2025/05/02
団塊シニア
49
今は亡きノンフィクションライターの山際淳司氏に触れてる内容が印象的です。「山際さんの作品を読むと少年はスポーツを見ながら大人になり大人はスポーツを見ながら少年に還るのだ」というNumberの初代編集長の言葉を引用してるフレーズには納得!2013/09/03
さとむ
15
最近は沢木耕太郎に傾倒しているけど、伊集院静も好きだ。小説、エッセイともによい。本作を読んで気になったのが熊谷守一。ちょうど岐阜県立美術館で特別展を開催しているので、朝から出かけてきたところ。志賀直哉の『城の崎にて』の表紙にもなってるんだなあ。伊集院さんもふれているように、ぬくもりある作品が多かったし、ピカソに影響を受けたような作品もあって、なかなか素敵な展示会でよかった。2014/09/23
たびねこ
13
交遊録。無頼の人にかぎって、内面は繊細なものですね。ナイジェリアの作家チュツオーラや編集人小黒一三氏の話などが出てきたのは、組み合わせから言ってとても意外。2014/08/10
ランラン
12
著者と付き合いのある方を語ったものだが、とにかく付き合いが広くてまた色々なジャンルの人と知り合っている。これは著者の仕事の広さであり人間的魅力があるからだろう。誠実さとはその人の積み重ねた時間と姿勢が決める。2020/06/14