出版社内容情報
ゴルファーならば、誰にでも心当たりのあるワンシーン。深遠かつ甘美な世界を端正な筆致でとらえた、この著者ならではの小説集。
内容説明
バンカーで信じられない大叩きをしても、堂々と申告する硬骨漢。初めておとずれた優勝のチャンスに、平静さを失う万年ブービー男。人生最後のプレーを終えた、老ゴルファーの後姿…。ゴルフクラブを握る者なら誰でも思い当たるシーンを、端正な筆致で描いた小説集。
著者等紹介
伊集院静[イジュウインシズカ]
1950年、山口県生まれ。立教大学文学部日本文学科卒業。1991年「乳房」で第12回吉川英治文学新人賞受賞。92年「受け月」で第107回直木三十五賞受賞。94年「機関車先生」で第7回柴田錬三郎賞受賞。2002年「ごろごろ」で第36回吉川英治文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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gonta19
22
2012/5/11 Amazonより届く。2013/3/20〜3/23ゴルフは何故ここまでドラマになるのか?結局のところ、自分一人の決断が求められ、結果については自分ひとりが責任を負わねばならないからであろう。それ故になおさら、心の葛藤が浮かび上がる。2013/03/23
さと
21
ゴルフを愛する人、ゴルフを知らない人 全てに読んで欲しい一冊。私もゴルフが大好きでその魔力に取り憑かれた一人。朝露がシューズを濡らす早朝、スタートホールに立った時私を優しく迎えてくれたはずの自然は、私の邪念を見逃すことなく襲いかかる。あぁ、自分はこんな人間だったのかと丸裸にされる。何度クラブを投げつけたくなったか、そしてまた何度懲りずに練習場へ足を運んだか。作品の中で、ゴルファーの鑑に出逢い敬服すると同時にスコアに取り憑かれ競うことに重きを置いてきた自分を恥じ入るばかり2014/07/19
さきん
20
ゴルフに関わる短編集。会社の付き合い、親子の付き合い、同僚の付き合い、大工、弁護士、騎手など様々な背景を持った人たちが様々な事情の中、ゴルフを通じて何かしらの教訓を得るといった内容。仕事で将来ゴルフをすることがあるだろうか。自分は運動音痴なので、周りに迷惑をかけたり、人付き合いでゴルフが悪影響を及ぼすということは避けたいと思った。2017/02/23
Hotspur
4
食わず嫌いだった著者の本を、彼が先月11月に亡くなったのを機に一冊読んでみようか、と。著者が愛したというゴルフに材を採ったフィクションの短篇集。主に1990年代の創作のようだが、今読むと、普遍的に訴えかけてくる要素も多々あるものの、一方で、作品の設定や、社会風俗、登場人物の行動・思考様式などに、隔世の感を抱かせる要素が多々混じっており、全体としてみると、なぜか古色蒼然の感を強く抱かせるのが残念。2023/12/18
riko
4
★★★☆☆2023/03/11