出版社内容情報
飲んだ帰りにヤクザに絡まれた中年男、木原は一念発起して練馬の空手道場の門を叩く。夢を無くした中年たちに贈る異色格闘技小説。
内容説明
妻子持ちの中年男性・木原は、ある日、チンピラ風の男が、空手を使う男に倒されるのを目撃、後日、その一人に、因縁をつけられてしまう。その時の悔しさから、空手道場の年配向けコースである「ビジネスマンクラス」に入門した木原だが…。夢とは?真の強さとは?「強くなりたい」と願う、すべての人に贈る痛快格闘技小説。
著者等紹介
夢枕獏[ユメマクラバク]
昭和26(1951)年、神奈川県小田原市生れ。48年、東海大学日本文学科卒業。52年、「奇想天外」誌に「カエルの死」を書いてデビュー。圧倒的な人気を博する「陰陽師」「魔獣狩り」「餓狼伝」の各シリーズをはじめ、山岳、冒険、ミステリー、幻想小説などの分野で広範な読者を魅了し続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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goro@一箱古本市5/5
56
いつの間にやら考えたこともない歳になり、殴られ、土下座を強要されみじめな思いをさせられる主人公の姿は世のお父さん方の姿か。なんだかブヨブヨの体になってしまった。自分の殻を作るのも破るのも己次第だな。逃げるでもなく切り抜けるためには行動を起こさなければ始まらない。思いを実行に移す勇気が主人公を強くしたのだ。カラダを舐めちゃいけないぜ!と出っ張ったお腹を見て思う今日この頃。俺も行動を起こす時が来たか!?押忍!2020/01/28
藤瀬こうたろー
18
夢枕獏さんが大道塾(現:空道)に入れ込んでいた時代の本。懐かしいなあ。20代の時、空手をやってた時は上段回し蹴りは余裕で上がってたけど、この本にあるとおり、今は中段で精一杯。まさか、自分にこんな時がやってくるなんて当時は思いもよらなかった。ましてや、フルコンタクトなんて絶対無理だろうなあー。本の内容自体は40代の中年男性がふとしたことでケンカに負け、一念発起して空手に目覚めるという内容。読むと突きとか蹴りとかしたくなってくるから不思議笑 無理しないようにしよっと。2024/12/11
ヨータン
18
長かったー。でも面白かった。中年の青春ストーリーとしても面白かったけど、空手のことや空手教室の雰囲気も少しわかってよかったです。大人のビジネスマンクラスでも稽古の後、トイレ掃除があるとかちょっと驚きました。2017/09/16
えいきち☆。
16
木原さんの成長物語。同世代の男が一念発起する感覚は、自分が5年前に肉体改造を思い立ったこととオーバーラップした。僕の場合、その後東京マラソンに出場完走し、燃え尽きてしまうのですが(笑) 夢枕獏さんの作品は初めてでしたが、ちょうどいいテーマだったようです。また、体と精神を燃やすきっかけになりそうです!2011/11/07
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15
空手に夢中だった頃、今江と同様に自分自身の才能の無さに気付いた時の葛藤を思い出した。勿論彼ほど深刻ではないけど。過去の夢を追いかけるのも、後悔しない人生の一つの選択かも知れない主人公の木原より10歳、歳取ってるけど又空手やってみようかな?面白かった。2017/05/29