内容説明
古くは『日本霊異記』や『今昔物語集』、はたまた『百物語』『耳襄』に匹敵する不思議で怖い出来事を集めたのが本書『奇譚草子』である。一本多い手の話、手に映ったサムライの顔の話、何度も雪に埋めた死体の話、逆さ悟空…等々、現代に伝わる怪異な話の数々を収録。夢枕ファン、待望の一冊が遂に復刊。
著者等紹介
夢枕獏[ユメマクラバク]
昭和26(1951)年、神奈川県小田原市生れ。48年、東海大学日本文学科卒業。52年、「奇想天外」誌に「カエルの死」を書いてデビュー。圧倒的な人気を博する「陰陽師」「魔獣狩り」「餓狼伝」の各シリーズをはじめ、山岳、冒険、ミステリー、幻想小説などの分野で広範な読者を魅了し続けている
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
クプクプ
60
夢枕獏の本は初めて読みました。掌編小説集です。今風に言うとアウトドアの不思議で、不気味な話でした。夢枕獏は、登山が趣味ですが、エッセイではなく、フィクションにこだわる、という点は、技術面、精神的にも、タフな個性の持ち主だと感じました。私も若い頃は、昆虫採集が趣味で、ひとりで登山し、モテなかったので、女性のことを想像し、山を登っている自分のことを恰好いい、と思っていたことを思い出した、ちょっと癖になる読書体験でした。2025/04/25
リッツ
28
【日本の夏はやっぱり怪談】懐かしい!昔ハマっててよく読んだ夢枕獏さんの掌編小説が出てきたので再読。え?実話あり?と引いたが割合にソフトなので読めた、けど、想像するとやっぱり怖い。初っぱなの生霊の話はなんだかリアルで『あるかもな…』と思わせた。印象的なのはサムライの話。それだけでさわりがないならまあいいかなと思ったけどホントよく手を出したなぁ。全体的になんだか寂しい雰囲気を感じた。それは人って儚いけど時に思いが強く残るんだなぁとか。実話離れての創作は安心して楽しめました。2024/08/31
★YUKA★
22
色んなテイストの短編集で楽しめました。筆者の本は、陰陽師シリーズしか読んだことがなかったので、なかなか新鮮な感じでした!怖い話好きなので、ちょっと物足りなかったかな~2014/05/18
よみとも
17
前半は人から伝え聞いた不思議な話やゾクッとする怖い話、後半は不思議な短編作品集です。「上弦の月を喰べる獅子」と同時期の作品で、「上弦」と同じテーマや用語が出てくる短編もあって興味深かったです。あとこの手の話では、愛や恋で狂気の側へ足を踏み入れてしまうのは大抵女性ですが、その役割を男性が担っている「ふりんのみち」が新鮮でした。さらっと読めてしまうので、不思議な話好きな方はぜひ。2013/06/02
猫ぴょん
16
短編集。びっくりするくらい怖いくはないけど後からジワジワ来るのがいくつか。小学校の話がゾクリ。 2017/06/26