出版社内容情報
インパール作戦で無残にも戦死した兄。その兄の名を記した日章旗が戦後五十年目の夏、偶然見つかった……。随筆と小説で語る鎮魂歌
内容説明
太平洋戦争の中でも、とりわけ無謀で愚劣きわまる作戦といわれるインパール作戦に駆り出されて死んだ兄。その兄中野幸太郎の名を記した日章旗が、戦後五十年目の夏に偶然見つかった…。先の大戦で、無念を抱いて死んでいった何百万の兵士と、彼らの死をいつまでたっても忘れられぬ遺族とに捧げる鎮魂の書。
目次
五十年目の日章旗(日章旗出現;出征;二十八年の生涯;軍隊というところ;兵営での生活 ほか)
スタンド
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
コマック
2
悪名高きインパール作戦で戦病死した氏の兄の思い出が生々しく語られています。また、収録されている短編小説「スタンド」の中で、若くして亡くなる姪の臨終の際に氏を「熊本のお兄ちゃん」と呼び、それは彼女の幼い頃の氏の呼称だったと気付いて、なにかに打たれたようなショックを受けたとの記述がありましたが、私も妙にその呼び名が印象に残りました。名前でなく、「〇〇(地名)のおっちゃん・おばちゃん」と、自分もそう呼ばれているのか?何故か客観的に俯瞰的に地理的に、自分という存在を意識させる、でも心地よい呼称なのでした。2024/11/08
OMO
2
面白さ:○ 興味:○ 読みやすさ:○ 新鮮さ:○ 文学的云々:×2019/12/04