出版社内容情報
人生のある時ある所の幸せと哀しみ──。成熟した男女の微妙なこころの綾を、著者自らが見聞きした実話をもとに描いた十六掌篇
内容説明
東京の鮨屋の主人が盛岡に通うのは、疲れた心身を癒すため。町には中津川のせせらぎと、行きつけのそば屋で働く“えくぼの女”がいた。その女の身の上話を聞いた時の男の心の変化を記す表題作など、著者が出会った“男と女”の日々のいとなみに、温かくやさしい眼差しをそそぎ、“嘘半分、本当半分”で描く十六の人生模様。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
なおぱんだ
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この作品に収められた作品の主人公たちは、50代から60代以上のいわゆる団塊の世代の男女が中心となっています。日常のほんのささいな出来事を切り取って、一つのドラマに仕立て上げた短編集。どこにでも転がっているような断片的な話でも、御年96歳になる著者の豊富な人生経験から、心に残る物語が作られていきます。ただ、私としては少し読むのが早すぎたように感じられました。主人公たちの年齢にもう少し近ければ、受ける感慨はより深いものになったんじゃないかと思いました。2013/10/17
toshi
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全16話から成る短編集です。主人公には名前が与えられず、全て男か女で呼ばれます。その分、それぞれの出来事が、誰の身にも起こるような気になります。2018/03/01