出版社内容情報
軟弱外交と非難されながら善隣友好主義を貫いた外交官が戦後二人目の総理に……それは新憲法制定の重荷を背負うことでもあった
内容説明
昭和20年10月6日、天皇は幣原喜重郎に告げた。「内閣を引き受けてほしい」。国際協調主義ゆえに戦時中第一線を退いていた73歳の老外交官は、こうして戦後二人目の総理大臣になった。そしてそれは、新憲法制定という戦後最大の難問を背負うことでもあった。昭和の激動と、幣原の一生を克明に描く長篇評伝。
目次
序章 最後の御奉公
第1章 憲法成立の謎
第2章 外交官への道
第3章 英米派誕生
第4章 外務大臣
第5章 幣原外交復活
第6章 臨時首相代理
第7章 失意の時代
第8章 政権の座
第9章 揺れる天皇制
第10章 憲法改正問題
第11章 最後の聖断
終章 長逝
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
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4
敗戦後、天皇から首相就任を懇請された幣原喜重郎(しではら きじゅうろう)の生涯にスポットを当てた話。ネタバレ回避しますと、73歳の老外交官でありながら新憲法制定という戦後最大の難問を背負う事に驚愕。GHQがソ連などの影響を排除する為に、日本政府に対して憲法改正を指示の中、日本を51番目の州にしてはならないと幣原首相たちは反論する術のない敗戦国でありながら、如何に日本"らしさ"・"尊厳"・"精神の自由"などを維持するかに全力を掛けた。傑物政治家たちが数多くいた時代の大物外交官にご関心のある方にお勧めします2012/01/20
熱東風(あちこち)
1
もはや自分が世に出ることはないであろう-そう思っていた矢先の思わぬ出番。幣原が積極的に現行憲法を作ったのではないと知っているので、後世の人間で声高に彼を責める者は(小生の知る限りでは)いない。たまたま貧乏くじを引かされた彼の無念はいかばかりか。だが、武力を持たなくてもいい世界が来るであろうと信じていた節はある。そんな彼がもし、相変わらず百年一日の如く争いをやめようとしない21世紀のこの世界を見たらどう思うだろうか。2014/05/28
hayatama
0
山本五十六、井上成美はどうも、と思って久しぶりに再読。大阪出身の唯一の首相。2009/08/05
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