内容説明
この絵本では、フランスの農村に古くから伝わるお話をもとに、当時のくらしぶりや人々の思いがこもった“炉端のシンデレラ”をあたたかく描き出しています。5歳から。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nakanaka
66
一般的なシンデレラの話と異なる点が多く興味深く読み聞かせしました。それもそのはずでフランス中央部の農村で語り継がれる民話とのこと。こっちがオリジナル? 継母の連れ子が一人だったり、「おむすびころりん」のような話があったり、舞踏会ではなくミサで何度も王子様と出会ったり、ガラスの靴ではなく金の靴だったり。最後は同様のハッピーエンドということでめでたしめでたし。2018/09/11
ヒラP@ehon.gohon
15
話の違いに圧倒されてしまいました。 考えたら舞踏会も出てこなければ、ガラスの靴も、出てきません。 新倉朗子さん独自のシンデレラです。 タイトルがシンデレラでなくても良かったかもしれません。 中村悦瑚さんの絵も不思議です。2024/04/29
りえこ
4
絵が渋くて、日本のお話みたいに見える。2013/02/13
ララ
3
カボチャの馬車も舞踏会もガラスの靴も出てこないので、びっくりした!フランス中央の農村に伝わる民話だそう。日本の米福粟福に近い。子どもたちにも、口承民話の面白い例として読み聞かせしたい2021/03/12
ワタナベ読書愛
2
1993年発行。よく知られた貴族的な話ではなく、フランスの中央部ニヴェルネ・モルヴァン地方の農村に伝わる民話。農村の生活がリアルで、舞踏会ではなく「日曜礼拝」に出かける設定。働き者の美人で性格もよく賢い娘と、怠け者で醜く性格も悪い後妻の娘が対照的な運命をたどる話。残酷な描写はなく、最後はあっさりさっぱり。濃厚な油絵のような画面が外国の雰囲気満々で、ひと時の現実逃避に最高。だが、話の内容は極めて現実的。地に足がついた幸せを考えられる大人向けのシンデレラ・ストーリー。やっぱり正直者が得する話は気持ちよい。2020/11/25